2023.03.15 Wed
★'89y TC96 FXR作業(6日目)。

細々した部品をパウダーコートに発送します。これでパウダー施工は最後になると思います。

今日は1次ドライブを組み上げておきたいと思います。まずはインナープライマリーカバーのピポットブロックとの干渉箇所を逃し加工。

TC96になってから中華製ベアリングになり信頼度が極端に落ちているインナープライマリーベアリング。またTC96はクラッチハブの設計が悪く、エボやTC88に比べ高負荷が掛かる構造なのでベアリングが壊れてしまうのでしょう。当店でもTC96ダイナは数多く修理しています。
BAKERでは”強化ベアリング”として凄まじい値段でNSK製シールドベアリングを販売しておりますが(注:これは輸入関税の都合で仕方のない事です)、日本で買えば1/5〜1/10の価格で入手出来ます。200HPまで問題ない、と謳われている同じ製品です。但し専用のオイルシールはBAKERが特注で作っているようですので、オイルシールだけはアメリカから取り寄せする必要があります。

まずはインナープライマリーカバーにNSK製シールドベアリングを圧入してCクリップで固定します。画像右上に写っているローラーベアリングとオイルシールがH-D純正部品。NSKはボールベアリングになります。

でBAKER製のオイルシールを圧入。T/Mメインシャフト側のベアリングレース自体が無くなるので内径が小さくなっています。当然ですがダブルリップとなります。

プライマリーカバーに当店オリジナルの貫通ミッドステップ用パイプを装着してカバーが完成。

まずは仮り組みしてシフターリンケージを調整。

これだとダウンシフトの際にリンケージがプライマリーカバーに干渉しそうです。

で、シフターアーム自体を交換。リンケージを画像よりも長めにセットしてアウタープライマリーカバーの角度に沿うよう見栄え的にも配慮。レバー比は適切でシフトは軽いので問題無いでしょう。

もう一度プライマリーカバーを外して各部を本締め。


プライマリーチェーンテンショナーは純正オートテンショナーをそのまま使います。一番マシなものを選びます。

で1次ドライブ完成。これでスターターに電源を入れればようやくクランキングが出来ます。

艶あり黒とリンクル黒のコントラストが効いており非常に美しい。ここまで手間とお金を掛けた甲斐があるというモノ。
当店のお客様でもこのレベルまで完璧にやり切れる方はそうそうおりません。

インナープライマリーカバーとピポットブロックの隙間はこれくらい空けました。これならどれだけエンジンが揺れてもヒットする事はありません。

もうひと頑張りかな、、

今回車体の9割をブラックのパウダーコート施工しています。ボルトはこれまでノーマルでしたが、黒のエンジンにステンレスボルトを合わせると非常に引き立つ為、この際ダイヤモンドE/Gのステンレス12ポイントに交換しましょう!という事になりました。作業の手間は増えますが、見栄えが全く違ってきますから、ここは妥協出来ません。

続きます。
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