2022.12.15 Thu
'92y FXDC / '93y XL883。


序でにリアショックも交換します。この黒い国産リアショックはスプリングレートがストックよりも柔らかくて悪くはないのですが、どうにもサス長が短過ぎて突き上げます。一度EVOダイナのストック長に戻してみます。


で試乗。

純正サスペンションは硬いイメージがあったのですが、何故か思いのほか乗り易い。リアフェンダーのタイヤへの被さり部分で30mm位車高が上がったと思います。
キャスターが立ったお陰でローライダー特有の超低速でフロント側が切り込む感じが少なくなり、ハンドリングも軽くなって随分乗り易くなりました。車高が上がった分キックスタンドも出し易くなったし、上々の仕上がり。

此れにてFXDCのリカバリーは完了。今週末にも納車させて頂く予定です。

続いて'93y XL883。ナラシが終わっているので一度走らせてみます。

エンジンのパワー感は悪くなく圧縮が戻ってチカラがある感じがします。しかし、走行時は感じないもののアイドルで止まっていると例の異音が気になります。異音は明らかに出ていますが、走行中違和感はありません。

エンジンが冷えていても温まり切っていても同様の異音が出ています。聴診器を当てがってみるとフロントのエキゾースト側カム辺りから最も音が出ており、実際耳に聞こえるメカノイズともほぼ一致しています。
この車両はタペットが煩かったので前回腰上O/H時に新品交換しています。その際タペットホールからカム山の目視チェックは行っておりますが、カムカバーは開けていません。
4カムはビックツインに比べるとギアの数が多い分メカノイズが多くなりがちです。T/Mがクランクケース一体型、というのものノイズが多い理由です。
それに加え新車時からメカノイズが最初から多い車両と少ない車両の差が激しく、調子が良くてもガシャガシャ煩い車両は、何をどうやっても静かにする事が難しい、と経験上感じます。
特に年式が古くなればなる程その傾向が強く、5速より4速エボの方が煩い車両が多いです。同じ5速車でも5速になった90年代初頭の車両に比べ、98-03yといった最後期のエボは静かな車両が多いです。
当店のお客さまで言えば昨日作業していた'98y XL883や、'03y XL883Rはとても静かで、所謂”当たり”の車両だと思います。途中から純正オイルポンプの容量がアップされており、それも理由のひとつかもしれません。排気量がずっと883や1200ccのままにも関わらずオイル流量を増やしたという事は、もともと足りていなかった?と勘繰る事も出来ます。
今回の手直しでは一度カムカバーを開けてみてカム自体は勿論の事、カムを内側と外側で支えているブッシングに問題が無いかチェックします。何か問題でもあればそれはそれでラッキーという事になりますが、何も問題無い、という可能性も多々有ります。後期の改良された純正オイルポンプに交換してオイル流量も上げますが、イロイロやってみた結果異音は完全には消えない、という可能性がある事を念頭に置いた上での作業となります。
極論を言ってしまえば、4カムの場合はその車両を入手した時点でエンジンが煩いか、静かかが決まっている、といっても過言ではありません。新車時組付精度の個体差=メカノイズの増減、だと自分は考えます。しかし、そう言ってしまうと元もこうも無いので、どうにかして少しでも異音を少なくする方法を考えるのがショップの仕事だと思います。
これは余談ですが、4カムでハイカムを入れてリフトを上げていくと間違いなくメカノイズが出ます。パフォーマンスを上げるが故の”代償”であって止める術はありません。
今回パフォーマンスに振っている訳では無いので、もしもカムがダメであれば純正ノーマルカムよりリフトの低いカムにするつもりでいます。リフトが低くてもオーバーラップが大きければ中〜低速のトルクは太くなり乗り易い筈ですので。
何よりメカノイズはストレスになり精神衛生上宜しく無い訳で出来れば減らしたい。部品交換で減る可能性があるのなら積極的に導入するつもりです。

続きます。
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