2022.09.04 Sun
'90y FXR 入庫。

フロントエンドをエボFLSTN ソフテイル・ノスタルジアからコンバートして前後16インチ化されたFXRです。まずは店の回りをグルグル走らせてみましたが、特に違和感も無くホイールベースが短いので良く曲がるファットボーイ、といった感じでしょうか?

イロイロ作業のご依頼をお受けさせて頂いているのですが、まずは前後のエンジンマウント。

今回はH-D純正に拘ったので3個で約6万円!という凄まじい金額。HDJに在庫有りでした。

スッキリした外観同様に、余分な配線が一切無く配線も小綺麗に纏まっています。配線が煩雑で汚い車両は自ずと外観も汚い事が多いです。


まずは油脂類全交換。

オイルバックのフレキシサイトグラスも社外品に交換。


まずはスイングアームピポットの左右アイソレーターを交換します。

リアエンドを外さずに作業するのは至難の業ですが(やってみれば分かります)、特殊な部品を流用する事によって作業効率を劇的に上げる事が出来ます。こればかりは企業秘密。

ピポットシャフトが抜けました。水も侵入しておらず状態は非常に良いです。この車両は1990yモデルですので片側がナットのタイプとなります。

スイングアームに圧入されているブッシングも良好。一度交換されているのでしょうか?当方の場合ここにはパッドグリスを塗ってからナイロンワッシャーをセットします。ブッシング内部が錆びてしまいピポットシャフト毎ブチ抜けてきたら、、それは地獄を見る事になります。

新品アイソレーターに交換。

左右のアイソレーターが均等に軽く潰れる程度に、まずはピポットブロックを仮組みしておきます。エンジンのセンタリングを行うのでピポットナットはまだ締めません。

エンジントップハンガーを外します。

序でにフロントヘッドのスタッドを長めのものに交換。非常にマニアックなリクエスト。笑

続いてエンジンフロントマウントも切り離します。

フロントエンジンマウントを固定するナットにはかなり特殊な大型フランジナットが使われています。FXRやFLHの車両でしか使われないものです。このナットが適当なナットに交換されておらず、ストックのままの車両は良い車両だというひとつの指標としています。

フロントマウント撤去。

エンジントップマウント撤去。

最後にリアショックのロアマウントボルト撤去。これでスイングアームピポットの左右2点でのみフレームがエンジンとT/Mを支えている事になります。当然の事ながら車体は水平にジャッキアップしておきます。

少しエンジンを揺すってみて問題が無いようなら、まずはピポット部分から締め付けていきます。何処の箇所もですが均等に締めつけながら行う事が大切です。その次にフロント側のエンジンマウントをセンタリング。

エンジンマウントを交換するとほぼ必ずスタビリングの長さが変わる筈です。普段は埃を被って綺麗にされる事はまず無い部品ですが、こういった機会に真鍮ブラシで磨いて綺麗にします。H-D純正のユニクロームメッキは屈強なのでブラシで磨けばほとんどの場合美しさが戻ります(社外のTAIWANメッキは駄目駄目です)。


今回この車両ではスタビを短かめに再調整しなおしました。今までよりもエンジンが若干プライマリー側に移動した事になります。
一度左側に転倒させてしまった事がある、と伺っておりますのでそのあたりも微妙に関係があるのかもしれませんが、真意は定かではありません。

地味ですがボルトも全て磨いてます。

エンジンマウントが終了したので点火を交換します。

S&S製 Hi-4からお馴染みDYNA2000iです。

メーターダッシュの配線が社外の一体型ガソリンタンクトンネルを潜っており、タンクを脱着するにはタンクダッシュの配線を撤去する必要がありなかなか難儀です。オーナー様しか分からない色コードもあったので今回は仕方なしにガソリンタンクを外さずに作業。
左右2分割式のソフテイルタンクだったら作業は簡単なんですけど、そもそもFXRフレームには付きませからねぇ、、

続きます。
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