2022.08.09 Tue
'93y XLH883 / '90y XLH1200。


当店ではシリンダー、ヘッドそれぞれに専用ボックスを用意しています。といってもT-manの箱なんですけどね。笑

本来は定休日ですので、こんな日ばかりは自分の好きな作業や、通常営業日には出来ないような仕事をします。まずはずっと気になっていた草刈りから。草刈機なんて便利なものは持っていないのでサンダーで切りました。
今年は雨が多いからかツル性の植物が繁茂しており、絡まって大変な事になっていました。

'93y XLH883のヘッドを組んでおきましょう。まずはバルブのカーボン落とし。洗浄液で落とし切れなかった強固なカーボンは旋盤で掴んで削ります。


序でにGS1000のスプロケットタワーも磨きました。使うかどうかは別なんですけど。

バルブシートは綺麗なものでしたが、軽く擦り合わせを行いました。バルブのセット長が変わるような傷であれば、ここ最近は内燃機屋さんにお願いしています。


で、ヘッド完成。

様々な車種のボルトも洗浄液に漬け込み、その後ガソリンに漬け込んだり。

お次は'90y XLH1200。正確には883改1200です。ガソリンタンクに残っていた古いガスをドレンします。長期に渡り車両を寝かしてしまった場合、ガソリンはフレッシュなものに交換して下さい。古いガスでキャブの調子が悪くなる事も多々あります。

先日交換したブレンボキャリパーですが、ブレーキングしてサスペンションが反った時にだけ微妙に振動が伝わります。じっくり観察して分かったのですが、この車両のホイールはかなり古いレース用ダイマグを使っています。純レース仕様のダイマグはスポークのリブが分厚く左右に張り出しています。そのリブが稀に干渉するみたいで違和感がありました。

で、丁度倉庫にリアキャリパーと同じPM製のキャリパーが転がっていたので交換する事にしました。PMのキャリパーは”一応”削り出しですから鋳造ブレンボと比べるとボディがかなり薄くなっています。

で、問題だったのはこの車両ISRキャリパーを装着するにあたりサスペンションのダウンチューブを加工してしまっておりました。キャリパー取り付けボルト穴の上部だけにヘリサートを打ってあり、これがどうやっても抜けません。
説明するのが難しいですが、これをクリアするにはホイール側からボルトをセットする必要があります。しかし320Φローターは大きいのでボルトに干渉しそうです。で、仕方ないのでSUSキャップボルトのアタマを最小限削ってスモールヘッドに加工しました。旋盤があれば超簡単なハナシですけど。

で、こんな感じに内側からボルトをセット。

ボルトとローターとのクリアランスは1.0mmほど作ったのでどんなに歪んだり捻れたりしても干渉はしないと思います。

外側からもナイロンロックナットで締めましたので強度的にも問題は無いと思います。
今まではキャリパー取り付けボルトの下側が1サイズ細いボルトが使われていたので(ISRキャリパーの構造上それしか方法がないから)危ないなぁ〜と思っておりましたが、規定のボルトサイズに戻せて自分的には良かったです。オーナーさんには全く分からない部分なんですけどね。

これで前後共に全く同じPMキャリパーになりました。ブレンボとPMでは同じ4ピストンながらピストン径が違うので、レバー比も変わったお陰で適度な握りシロが出来ました。
ブレーキは何より命に関わる大事な箇所ですし、握り心地が良いか悪いかで、乗っていて気分も大きく変わります。こうした比較的古い年式の車両では、ブレーキのタッチを突き詰める事は街を走る上で特に大事だと思います。※当然ですが今時の車両ではアジャスタブルレバーが標準装備されていますので調整はほぼ必要御座いません。

スパークプラグの焼け具合が前後で違っていたので今更ながらコンプレッションを計測。
この時代の883改1200は燃焼室を削るタイプだと思われます。よって圧縮比がどれくらいになっているのか想像も出来ませんが、現状値でも圧縮は落ちていると思います。

GSも地味に進めています。GS550、GS750、GS1000。この3台の車両の部品相違点を探りながら、手探りで部品を組み合わせる毎日です。イロイロ中古部品を入手しては計測を行なっています。
お金に繋がらない一見無駄な事だらけの作業ですが、それでも自分が納得して満足出来ればまぁそれでヨシとします。

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