2022.05.27 Fri
'87y S&S XLH1200 リカバリー〜再検証。
50-60km/h程度の速度ではオイルが漏れていません。もう少し速い速度域で、ロッカーボックス内部の内圧が上がると吹くのだと思われます。
もう一点、偶にガ、ガッというような異音がある、という事でしたが、今日の短い時間の試乗では残念ながら確認する事が出来ませんでした。


プッシュロッドからのオイルスプレーはフロントバンクのエキゾースト側、プッシュロッドアッパーOリングからだと判明。他は漏れていませんでした。

此処迄分解したらトップエンドを分解するも同じです。異音の原因が有るのかどうか、この際分解してみます。


インテークに付着した赤茶色は主にガソリンですが、バルブシャフトを潤滑するオイル分も混ざります。


組み上げてからの走行距離が数十キロですのでまだ何とも言えませんが、カーボンが付着してくると排気バルブはもっと真っ白になります。




ピストントップにはガソリンとオイルが混ざった初期のカーボンが付着しています。エンジンオイルを消費するとは聞いてませんし、エンジン冷間時、温間時共にマフラーから白煙はありません。

現時点ではパーツクリーナーで直ぐに落ちてしまう程度です。

ピストンリングはそのまま続投しましたが、運良く国内に在庫があるのを見つけました。6万キロの走行距離を考えればリングだけでも交換する価値はあると思いますし、多かれ少なかれオイル上がりがあるのなら効果が期待出来ます。
ピストンリングの張力測定には特殊なガイド治具にセットして”レーザー変位計”と”ビデオ伸び計”と呼ばれる非接触型機器を使って張力を測定する方法があるそうです。しかし、普通はそんなものは持っていないのでシリンダーを抜き取る、または挿入する際の抵抗(=重さ)で感覚的に判断しています。
シリンダーにリングを仮組みし、リングエンドギャップの広がり具合で判断するのが一般的だと思いますが、これはリングのすり減り具合が分かるだけで、張力が分かる訳ではありません。

念の為もう一度計測も行いました。

今回作業を受けてから触った場所で、異音の原因のようなものを発見する事は出来ませんでした。
腰下なのか、それとも全くエンジンとは関係ない車体側なのかもしれませんし、、組み上げてからそこそこ走らせる必要があると思いますが、その際に再発するかどうかが鍵だと思います。

当方が組んで直ぐの4カムエンジンを開けたのは3台目、全てチューンドエンジンです。フルストックなら兎も角、ハイカム、ハイコンプだったり、この車両のようにストローカーフライホイールまで入った車両では、振動やメカノイズ、熱量もノーマルに比べれば当然大きいので、判断が難しいです。

続きます。
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