2022.05.19 Thu
'87y S&S XLH1200 トップエンドリビルト作業〜其の弐。

その間にシリンダーのカーボン除去とホーニング。


ピストンリングの張力はまだしっかりしています。シリンダー〜ピストンの計測結果次第では再使用しますので、丁寧に外しておきます。


ピストンとシリンダーを計測。ピンボケ炸裂してて申し訳無し。

ピストンとシリンダーのクリアランスは縦横共に4/100〜5/100mm。まだまだ大丈夫そうです。6万キロ走行しているわりには摩耗がとても少ないです。普通だとオーバーしてる事がほとんどです。

しかしながら気になったのは此処。フロントバンクのガスケットが吹き抜けていた箇所のカーボンがホーニングしても除去しきれません。これは硬い鋳鉄製シリンダースリーブと、柔らかいアルミのシリンダーとの間でアルミ側が熱で痩せてしまっているからです。爪が引っ掛かるレベルなのでこれは駄目だと思います。


こんな事ならシリンダーヘッドと一緒に内燃機屋さんに送っておくべきだったのですが、クリーニングが後回しになり発見が遅れました。内燃機屋さんに事情を話し、本日急遽発送しておきました。シリンダーを平面研磨して頂きます。

という訳でエンジンの作業はストップ。

で、車体側を綺麗にしておきます。スポーツスターの場合トップエンドを分解するとどうしてもスターターの下辺りにオイルが零れ落ちます。この車両は前回フルオーバーホール時にクランクケースもパウダーコートを施してありますので直ぐに綺麗に出来ます。


普段は手の入らないクランクケースの下側などもガソリンスチームで綺麗さっぱり。すっきりしました。

合間にGSX-R750の腐ったガソリンをドレン。ハーレーでガソリンが腐っているような車両はまず経験有りませんが、国産旧車は腐っている事が”デフォルト”だったりします。笑

魔が刺してドレンしたガソリンでオイルドレンパンも綺麗にしてみたり、、

ピストンはどんな塩梅でしょうか?因みにピストンの裏側にマジックで記載した重さやF/Rの表記は2017年に当方が組んだ際に書き記したものがそのまま残っています。6万キロもの距離を上下運動していたにも関わらず消えないとは、なんだか感心してしまいます。

ガッツリ焼き付いて強固に固着したカーボンですが、かなり綺麗に落ちています。同時にエンジンコンディショナーや重曹ブラストも試しましたが、ほとんど撤去出来ませんでした。この感じで一晩漬け置きしたいと思います。

そうこうしているとシリンダーヘッドが届きました。ヘッドは歪んでいたそうで1/100mm平面研磨を行なって頂いております。幸いバルブガイドに問題が無かったので交換こそしていませんが、バルブシートカット、バルブセット長合わせ、ラッピング、バルブシール交換(※S&S製は特殊な外径なので今回はTC88純正品を流用)などフルO/Hを行いました。



オマケの画像は此方↓
昨日走らせたGS550のスパークプラグをチェックしたのですが、ナラシ走行時の焼け具合としては悪くない感じです。ニードルジェットのクリップ位置はもう一段上げても良いかもしれません。
オイルドレンボルトから若干のオイル滲みがあり、ボルトを締め付けたり走行して内圧か熱がかかると漏れるので、まず間違いなくオイルパンに微細なクラックが入っていると思われます。部品は廃番だと思うのでどう修理しようかと考え中です。

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