2022.05.07 Sat
'79y GS550 仕上げ。


5000rpm辺りから失速する感じはなんら変わっていません。アイドリング〜5000rpmまでは非常に安定しているだけに腑に落ちません。

此方は次のプロジェクトで使用する流用パーツ。検証用に様々な車両のサスペンションを入手してみては計測を行っています。全てスズキ純正でインナーパイプ41Φのものに限定しています。


で、GSに戻る訳ですがご覧のとおりプラグは煤けています。

ニードルジェット、パイロットジェット、油面を見直したりと考えられる事をひとつづつ試しては始動を行い検証します。正しいセッティングに近道は無いという訳です。

スパークプラグは大盤振る舞いにバンバン交換します。プラグが駄目になっているだけだった、という事も多々ありますので。

ここまで煮詰めてくると走らせるまでもなく点滴式で始動すれば事足りるので、店内でチェックを行っています。

様々な検証を行った結果、キャブレターは大筋外れていない、という事が丸一日かかってようやく判明しました。で、試しにファンネルのまま半分をガムテープで覆ってみて検証したところ、7000rpmまで回るようになりました。
つまりは吸気抵抗が少な過ぎて流速が出ず、失速していたという事が原因ではないかと思います。
ハーレーは排気量1200-2000cc近くもある2気筒エンジンで、そのくせキャブレターは1個しかないので吸気側は何をどうやっても強烈な負圧が発生するので混合気の流速が出ない、なんて事はまず有り得ません。ストロークも半端じゃないので尚更です。
しかし、このGSのように排気量が550ccしかなくて、オマケに4気筒で4つのキャブレターがあれば吸い込む力は弱い為、純正エアクリーナーボックスなどで吸気抵抗を発生させ流速を稼ぐように設計されてます。それを闇雲にファンネルなんかにしてしまうと当然流速は落ちてしまうのでスロットルをワイドオープンした際などに失速、または”息継ぎ”するような症状に見舞われるという訳です。
それでは何故にファンネルにしていたかと言えばキャブレターをセッティングする際、何十回と脱着を繰り返す訳でして、純正エアクリーナーボックス仕様だと半端なく面倒な事になります。特にこういったミドルクラスではフレーム内部のクリアランスが狭い事が多いので難儀する事は明らか。ですのでセッティング中は仮でファンネルやハイフローエアクリーナーを使うのですが、それが今回は特に裏目に出ていた訳です。
因みに、ですが、ファンネルにセットしたメッシュカバーは思いのほか吸気抵抗になるので”敢えて”セットしてあったのですが、これ位の抵抗では全く足りていなかった、という事になります。
更に余談ですが、加速ポンプのあるFCRキャブレターなどの場合、ファンネル仕様だとしても比較的楽にセッティングが出ると思います。

そんな訳で弄り倒してしまったキャブレターのセットを全て元に戻し、純正のエアクリーナーボックスを車体にセット。CB550やCB750と比べてもあからさまに整備性が悪く、ここは唯一GS550の駄目なところじゃないかと思います。
GS750を触った事はありませんが、エアクリーナーボックスの形状から見てももう少し整備性は良いような気がします。
しかしながら経年劣化で硬化してしまったエアクリーナーボックスのインテークパイプとインマニの間の隙間に、4連キャブレターを放り込むというのはなかなかどうして嫌になります。笑

それこそ汗だくになってキャブレターをセットしました。これを何度も行うという事は本当に勘弁して欲しいところです。
せめてラバー部品の新品が入手出来れば少しは楽になるのですが、当然廃番ですので望むべきもありません。

これで終わりにして欲しいです。

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