2022.01.29 Sat
JIMS 131" TC-FXR クラッチとハンドル回りの作業。

締め付け順はこのとおり。締め付けトルクは12.5Nm。

エンジン側カムカバーもメッキなので統一感があり、雰囲気は悪くないと思います。

ご依頼された業者様が用意してくれたのはTC88 FXDXのメインハーネス。以前は無理矢理このハーネスを使ってTC88エンジンが搭載された輸入新規車両だったのですが、配線は汚いし、点火はトラブルだらけだったので引き直しをお願いされています。

ハンドルもこんな感じで配線中通しのまま持参。ハーネス位抜いてきて下さい、、笑

US製圧着処理+ビニールテープ仕様。ライザーを上げて足りなくなったところで配線をぶった斬って継ぎ足してあります。あまりにも素人過ぎる処理。


なにより酷かったのがこの配線中通し。もともと配線中通しではないハンドルバーに穴を開けて配線を通しているのですが、穴のバリ取りが完璧に行われていなかった為、ハーネスがバリに引っ掛かってなかなか抜けず。難儀して抜き取ると配線チューブが傷だらけで使い物にならず。

ま、素人のガレージ作業では致し方無い限り。後々のことは考えないのがシロウトですから。

小一時間かかってスイッチボックスを抜き取りました。無駄な時間を浪費。クダラナイ作業は作業者の”泣き寝入り”で御座います。

で、ようやくハンドルバーにスイッチボックスを仮付けしました。H-D純正スイッチボックスを使う場合、クラッチやブレーキマスターは配線を跨ぐ為、スイッチボックスがあった方がケーブルやハーネスの長さを決める際綺麗に決まるので装着するようにしています。
ハンドル回りを国産ミリバー仕様にすればこんな無駄は省けるので当店ではミリバー化をお勧めしています。

油圧のラジアル式クラッチマスターはお馴染み"アドバンテージ・ニッシン”製。ブレンボなんかの高価なマスターでも構いませんが、安価で高性能、そして何より日本全国の二輪パーツ販売店で普通にスペアパーツが入手出来るニッシンが便利です。どんな部品でも”MADE IN JAPAN”に敵うものはありません。

クラッチホースやフィッティングも全て日本製を使います。命に関わる箇所は出来るだけ国内で生産しているものを選ぶのが自分流。


此れまたいつものようにクラッチホースはフレームバックボーンを通してガスタンクで隠してしまいます。FXRのタンクトンネルはとても狭いのですが、クラッチホースを通す程の余裕はあります。

今回もリアフィードのT/Mカバーなのでフレームサイドカバーの前側を這わせてフィッティングします。この取り回しが綺麗なので自分のレーサーも含め多用しています。

で、リアのブレーキマスター加工が上がりました、と連絡を頂いたので急遽鈴鹿へ。いつも通り非常に美しく仕上がっておりました。
説明しないと伝わらないので念の為説明を加えますが、ブレーキマスターボディを6mm短くカット、ブレーキホースフィッティング穴位置を変更+穴開け直し、ブレーキピストンをアルミ削り出しで製作、ステンレス製トルクロッド製作。各部の穴のタップはそれぞれ穴径やネジ山ピッチが異なっています。
車体に装着すればほとんど見えなくなってしまいますし、今回施した加工の手間は車両のオーナーさんだとしても、そんな事は「知った事ではない」んじゃないかと思います。
しかし、ここまで細やかで地道な作業を、こちらの意図する通りに再現出来る外注さんは、日本広しと言えど「レースの聖地」である鈴鹿ならでは。
多くの外注様に助けられているお陰で、店が継続出来ているという事実に感謝しつつ、日々の作業を行わなければいけないですね。

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