2021.10.30 Sat
雑務。
リアバンクのタペットが粉砕したSE120R FXDLのクランクケースが溶接修理から速攻で上がって参りました。大至急ご対応頂いたので非常に助かりました。

タペットローラーが削ってしまった部分を溶接で盛りました。溶接の熱で歪んだり、ピンスポットが入るかもしれないという事を承知の上での処理となります。
このあとは関東の精密加工が出来る外注様に送り、放電ワイヤーカットでタペットホールを再加工出来るのかどうかを品定めして頂きます。角度を振ってケースを治具にマウント出来るかどうかが焦点となりますが、もし無理ならマシニングで加工が出来る別の業者様を探すしかないかと思います。

CBR600RRのガソリンタンクは明日にも届く予定です。錆びたタンクは腐ったガソリン臭が酷いので鉄屑ドラム缶に捨てました。

此方は本日届いたまた別プロジェクトのフレーム。どう見ても鉄屑にしか見えませんが、、

BP 87 FXRは純正ウインカーモジュールの配線を追いましたが、やはり問題はありません。ウインカーボタンを押している間は点灯し続けています。別のウインカーイコライザーを入手して再度試してみたいと思います。

本日届いたSST、カムサポートプレートの油圧を計測する"プレッシャーリリーフPSIテストツール"を使って早速計測してみました。以前からこのSSTの事は知っていましたが、他のSSTと同様、お安くはありませんので入手に二の足を踏んでいました。
しかし、明日から行うSE124RX FXDBIのリカバリー作業では、新たにカム室までの作業に及びますので是が非でも計測したかった事もあり入手した次第です。
オイルポンプを大容量化する事は広く一般的ですが、そのオイルポンプが圧送したオイルを各部に分岐させ潤滑しているのがツインカム車両のカムサポートプレートの役目で、サポートプレートにはリリーフバルブがセットされています。
規定値以上の油圧がかかった時に圧を逃がす働きをしていますが、このリリーフバルブがおかしかったり、油圧が上がらないとタペットやカム、あるいはトップエンドへの油圧が下がって異音が出てみたり、最悪の場合はエンジンブローします。
実際サポートプレート側でどれだけ油圧が上がっているのかは目で見る事は出来ない為、このようなSSTが必要になる訳です。
S&S製の青いカムサポートプレート"TC3"はこのリリーフバルブのスプリングをカム室側からネジで調整出来る仕組みになっており、エンジンの仕様やユーザーサイドの使い方によって油圧を変化させる事が出来るという画期的な商品です。
多分そこまで拘ってあのブルーのサポートプレートをインストールしているショップさんは少ないと思いますが、それにしてもこのSSTが無いと油圧が決められない訳です。

工具箱の中に転がっていたデルクロン製のカムサポートプレート(TC88用)を試しに計測してみましたが、結果は65PSIでした。規定値は50-65PSIなので非常に良い値だという事が分かります。

※明日31日(日)〜11月3日までは非常に神経を遣う作業になりますので店は"開店休業"とさせて頂きます。何方様もご来店なさらぬようご協力をお願い致します。