2020.12.04 Fri
'89y FXRS テスト走行とリカバリー。

中身をごっそりTC88用に入れ替えたT/Mのフィールは悪くなかったのですが、クラッチが駄目。MRC+VPクラッチで操作こそ"異常に"軽いのですが、半クラッチの範囲がとても狭くて乗り辛い。止まっていてクラッチをパン!と繋ぐとエンストするのでクラッチが滑っている訳ではないのですが、兎に角これじゃダメです。
後日、別の記事でT/Mオイルについては掘り下げた記事を書きたいと思っていますが、故意にテスト的に入れてみた安価なスペクトロのギアオイルはさっぱりダメでした、、良くも悪くもエボのT/Mフィールそのもの。

走行数十キロのレベルでこのプライマリーオイルの汚れ。やはりVP+MRCの併用は赤ら様にダメです。(当たり前ですがクラッチの調整はシビアに行なっており適正ですのでお間違えなく)

早速MRCクラッチを外します。


次。
プライマリーからオイルが漏れたようでカバーの下側がしっとり濡れていました。当初アウターカバーから漏れたのかと思いましたが、一度徹底的に脱脂してからエンジンをブンブン回して観察したところ、どうやらエンジンとプライマリーカバーの合わせ面から滲んでいるようです。この場所から漏れた事は今まで無かったのですが、、

で、一次ドライブ全てを外してみるとあろう事か合わせ面に装着する大きなOリングが千切れていました。
スターターのピニオン回りを何度もやり直ししていた際、気がつかず噛み込んでいたのかもしれません。完全に当方のミスです。この時点で漏れてくれて助かりました。


Oリングは純正が欠品していたので仕方なくジェームズの黒いものを使っていましたが、ここはH-D純正のブルーの方が絶対に性能が良いです。因みにニシキヘビ柄のシートは気にしないで下さい。。


こうしたリカバリー作業の際、必ず何処かを手直しして組むようにしています。そのまま組み直すだけでも勿論良いのですが、何か進歩が無いとやっている意味が無いと思うので、、自らのミスですので当然ノーチャージです。
で、気になっていたのはクランクケースとインナープライマリーカバーを固定する4本のボルト。純正のボルトだとネジ山の掛かりが少ないのですが、エンジン側のボルト穴はまだ10mm程余分にタップが立てられています。

で、約5mm首下の長い同じ強度ボルトに交換しておきました。ネジ山3〜4山は余分に喰ってくれる筈ですから、プライマリーオイルも一層漏れ難くなると思います。


リカバリーの際はどうしても慌ててしまい急いで組みがちですが、いつもよりじっくり、ゆっくりと作業しました。

で、リカバリーの作業が完了したのでオイルを入れます。スペクトロではなく先日W1SAでテストした国産ミネラルオイルです。

エンジン、プライマリー、T/M別体型。設計が古く大きくて分厚いギアを使っている事などを考慮すると、Wシリーズで調子の良いオイルなら、まずハーレーでも同じような結果になる筈です。実際店内でシフトしてみた感触はアカラサマに違っており、期待を裏切らない性能であると感じます。

MRCクラッチを撤去したのでクラッチは再調整。VPクラッチが入っているので操作は軽いのですが、ハーレー特有のクラッチフィールに戻りました。半クラ時のストローク長もしっかり確保出来ているので、もうこれで大丈夫でしょう。

明日走らせて、問題無ければ納車させて頂きます。

オマケの画像は此方↓
W3で使用する部品のパウダーコートが仕上がって参りました。車体を組み上げてからでは手の入り難いところの部品だけを施工しています。鋳物製のシリンダーは速攻錆びるのでここは絶対!ですね。

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