2020.12.03 Thu
'89y FXRS 仕上げの作業。
FXRには2種類のピポットシャフトがあり、TC88になってからのFL系も含めると3種類あります。後期になるほどメンテナンス性が高く、何をやるにも後期のシャフトだと便利です。

で、"MADE IN U.S.A."の高精度な社外品に交換しますので、まずはストックのシャフトを抜き取ります。
この車両は1989年式ですので片側ナットタイプとなります。前期のセンター二分割タイプよりはマシですが、それでもエンジンマウントを交換する際にはシャフトを一旦抜き取らないといけないので整備性は非常に悪いです。

グリス分がしっかり残っています。ピポットシャフトに水分が入り込むと錆びて固着してしまい、ハンマーでドツキ回す羽目になりますが、高い確率でクリーブブロック毎抜けてきて最悪!!な事になります。

これが社外のピポットシャフト。多分ステンレス製だと思います。後期のTC88用ですので両側ナットタイプとなります。これをスイングアームの動きを阻害しない特殊な組み方で組み付けます。

お次はハンドル回り。



ハンドル交換の度グリップを脱着しますが、このネスのグリップはダメですねー

ハンドルバーで最も重要なのがこの配線逃しの為の凹み加工です。これが大幅にズレていたり、凹ませ具合が甘かったり、凹ませた部分が変形していたりとマトモなハンドルバーを探す方が難しいほど。ハンドルバーに配線逃し加工が必要な単車って世の中にハーレー以外であるんでしょうかねー??
この構造をずっと変えないハーレーは本当に◯◯だと思います。この構造が嫌でミリバー化するようなものですから。

で、散々苦労してもハンドルバーが装着出来ないというありがちなハナシ。笑 クラッチケーブルとブレーキホースが足りなくなっています。
しかし、このライザーでハンドルバーをカチ上げる「神社仏閣スタイル」、もういい加減辞めませんかねぇ、、個人的にはちっとも格好良いとは思いません。アメリカでもハンドルバーの高さは少し下がってきているのが昨今のトレンドです。


で、結局元に戻すパターン。

ヘッドライトは社外のLEDに交換されていました。LEDライトユニットはヒートシンクが大きいので通常FXRのライトカバーには収まりません。でヘッドライト内部のハーネスのコネクターを撤去してしまう事になります。
この車両も御多分に洩れずコネクターは撤去してあり、全てギボシ端子で接続してあります。
ギボシは経年で緩むので頻繁に脱着の必要があるところ以外使用しない方が良い、というのが自分の考え方です。何より純正のハーネスを切り刻む事となっており、残念な事になっています。
あとLEDレンズユニットはとても重いので、ヘッドライトバイザー吊り下げ型のFXRやFXDだと、ヘッドライトシェルにクラックが入っている車両を多く見かけます。ですのでこの車両は本来のH4の純正タイプに戻します。とはいえ年式マッチングのラウンドレンズはレンズカットが悪く暗いので、平らなレンズになったTC88やXL後期のものを使います。
なんでもかんでも新しいものに変えれば良い、というモノではありませんよ。

折角イロイロ外したので端子をチェックして接点復活剤を塗付。

LEDヘッドライトの接続はこんな感じになってました。ヘッドライトには比較的高い電気が流れますのでできれば端子は無い方が良いと思います。

純正のH4コネクターが無かったので適当なハーネスキットからカットしたコネクターでセットしました。接続は圧着チューブ。熱のかかる部分はハンダ付けでは駄目ですから当店では圧着チューブを多用します。まぁ本当はカットしないのが一番ですけどね。

で、今は便利なH4サイズのLEDバルブがあります。自分のクルマや単車でも使っていますが、今のところ全く問題ないし、とても明るいのでこの車両でも導入しました。

やっぱりFXRはガラスレンズじゃないと。笑 最新式の単車じゃないんだからこっちの方が雰囲気が良いと思います。

続きます。

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