2020.11.18 Wed
650RS W3 〜エンジン分解とT/Mフルオーバーホール。
まずは'89y FXRS。バッテリーをチャージしたので始動出来るかどうか確認です。
バッテリートレーの底板部分まで全てペイントしたので、2.8mmのゴム板を敷いておきました。

で、始動せず、、、結局オーナーさんに持ち込んで頂いた中古セルモーターも駄目みたいです。涙

仕方ないのでプライマリーオイルをドレン。こんな事ならオイルは入れなきゃ良かった、、問屋さんに1.4kwのスターターの在庫が無い、との事でしたので、しばし作業はストップします。

続いてTC95 FXRS。現在グライドのリアホイール修理待ちですが、その間にフロントサスペンションのメンテナンスを行う事にしました。

サッと取り外し。

このサスペンションもスクーデリア・オクムラさんでMEフルチューン+MEスーパースポーツスプリングを施工してありますが、チューニング後時間が経っておりますし、現状沈み込み過ぎるのでプリロードを少し上げたい、というリクエスト。

本日の集荷に間に合いました。納期は3週間程度のようです、、

これで本日の作業は取り敢えず終了。しかし、折角作業ツナギを着ていますので、今日はこのままW3のエンジンを分解したいと思います。

何処から着手しようか迷いましたが、まずは腰上を分解したいと思います。何処まで加工が必要か熟知しておく必要があります。

ボルトのアタマは兎も角、首下の部分はどのボルトも綺麗です。付随するワッシャーの傷みもほとんどありません。当店中古販売車両のW1SAよりも此方のエンジンの方が、O/H前の現状は良いと思います。W3だから、という訳では無いと思いますが、、

ロッカーボックスの裏側も比較的綺麗。ロッカーアームの動きもスムーズです。

シリンダーヘッド。バルブの固着はありません。

プライマリー側のピストントップに錆が落ちています。エンジン保管中にインテーク、もしくはエキゾースト側から水気が入ったのかもしれません。


シリンダーにはクロスハッチが残っています。錆の発生はありません。前回と同様に外観はパウダーコートを施す予定。

ピストンのスカートもご覧のとおり綺麗です。ただ純正ピストンは1.0mmO/Sが入っておりましたので、もう後がありません。
シリンダーを計測してみてからのハナシになりますが、1.0mmO/Sの国産ピストンを使い、シリンダーはホーニングと再クロスハッチで逃げるか、それともW1SAと同様に、シリンダースリーブを新品に打ち替え、STDピストンから始めるか悩みどころです。

水気が混入していたプライマリー側のピストンは1st/2ndリングが固着していました。W1SAの時もやはりプライマリー側が固着していたのですが、キックスタンドで傾いて下になる側ですので、何か因果関係があるのかもしれませんね。

腰上の分解が終わったので次はプライマリードライブ。ハーレーと構造は全く同じです。

「Wあるある」。クラッチハブのスタッドがズボッと根元から抜けました。

3本抜けてしまいましたが、まぁ予想したとおりです。ここは5本全てを溶接で修理します。クラッチはフツウに張り付いていました。

WシリーズはT/Mケース自体を前後に移動させて1次チェーンの張り具合を調整します。なんともクラシックです。

フロントのドライブスプロケットは純正よりも大きなものに交換しファイナルをHIGHに振りたいと思います。

で、T/Mをミッションハンガーごと外しました。T/Mは片手で楽に持てる程小さいです。馬鹿ほどデカいハーレーのT/Mと比べると"おもちゃ"みたいな大きさです。

今回、エンジン腰下までフルO/Hを予定しています。

ふー。取り敢えず一息。
設計の古い単車ですので何処も単純で簡単な仕組みになっています。これなら素人の方でも根気さえあればO/H出来ると思います。ここまでSSTは一切使っておりません。

続いてT/Mを分解します。機能上多分問題は無いとは思いましたが、ケース側のベアリングは半世紀近く経っている訳ですから、ここは新品に交換しておきたい。
まぁあとは"ソリッドコアMCW"のテルが、やはりW1SAのT/Mを割ってフルO/Hしていたので、密かに対抗してみました。アイツに負ける訳にはいかないので、、笑
W3だからなのかW1SAとは少し構造が違っています。W1SAも前期と後期があるのかもしれませんが、勉強不足です。


T/Mケースからギアボックスを外す準備が出来ました。

ギアボックスを外すとメイン、カウンターシャフト、チェンジドラムがようやく見えます。ギアボックス側の2個のベアリングを新品に交換します。

T/MユニットをT/Mケースから抜きました。やはりケース側の2個のベアリングも新品に交換します。

外したT/Mアッセンブリ。後ほど分解してチェックを行います。

分解するのは簡単ですが、ここから先、外した部品を綺麗にするのは本当に骨が折れる作業です。どこまで綺麗にするのか、というところも迷いどころです。
折角全バラするのだからバッキバキに綺麗にレストアしたい、とつい考えてしまうのですが、お金も時間も限りがありますので、何処かで"線引き"しないといけません。

ここまで分解してみて、このW3のエンジンはまぁ悪く無い状態だという事が分かってきました。
当初オリジナルには拘らないつもりでいましたが機関の状態を加味すると、やっぱりW3のオリジナル状態で仕上げるのも悪くはないかも、と思います。
もしもこの車両を誰かが買ってくれるのなら、今ならお望みの具合に仕上げられます。
何方かこのW3を買ってくれませんかねー???笑

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