2020.11.08 Sun
'89y FXRS 1次ドライブの検証。

フロントのベルトドライブプーリーをセット。リアのドライブベルトも当然再調整します。

シフトのリンケージは何故だか焦げたみたいに真っ黒でした。代替品の手持ちは無かったのでワイヤーブラシで磨いて再使用。

今回、デルクロン製の"強化インナープライマリーカバー有りき"でのアップデートのご依頼。しかし既にデルクロン社は廃業しているようですので今やパーツは貴重です。
左側が1989y FXRのノーマルカバー、右側がデルクロン製の強化カバー。TC88用とほぼ同様の補強リブが入っており、全体的に肉厚に作られている為ストックと比べて2〜3割り増しに重いです。

折角ですのでインナープライマリーベアリングもJIMS製の強化シールドタイプに交換。

JIMS製の場合ベアリングの厚みが増す為、内側のCリングは装着しないのがデフォルト。

裏側のオイルシールもH-D純正やJAMES製とも違うオリジナルのシールになっています。因みにデルクロン製のインナープライマリーカバーは梨地での販売だったのですが、当店でリンクルパウダーコートを施しています。

T/Mサイドカバーも組みました。

インナープライマリーカバーを組みました。

ここで思わぬトラブル発生。通常エボの場合はインナープライマリーカバーを装着してからでもオルタネーターはセット出来るのですが、デルクロン製は肉厚でアウタープライマリーカバーとの接合面にまでリブが立ててあるのでオルタネーターが入りません、、、

で、仕方ないのでもう一度プライマリーカバーを外してオルタネーターをセットしました。ステーターコイルやオルタネーターが壊れた時の修理はインナープライマリーカバーまで外す事になります。ちょっと手間ですねー

スターターもTC88と同じ後期エボ用に交換。強化ワンウェイクラッチにも交換済み。

さてさて、一番の問題点。エボとTC88ではスターターリングギアとスターターギアの歯数が異なるのは前期したとおり。歯数だけなら社外のレトロフィットギアで合わせられるのですが、スターターギアの格納されるスターターボスの外径が違います。
ここはインナープライマリーカバー側の穴加工寸法に依存しますのでどうしようもありません。
カラーを製作して圧入するとか、スターターボスをワイヤーカットを使って切削して貰うとか、、どちらにせよオオゴトで時間の掛かる事には間違いがありません。
実は、このデルクロン製インナープライマリーカバーを諦め、TC88FLHのインナーに交換すれば問題は無くなります。当店ではTC88カバーに貫通ミッド加工を施したケースを常に在庫しております。しかしながら、今回はこのデルクロンカバー”有りき”ですので、1次ドライブのTC88化は金銭的にも時間的にも難しいと判断しました。

という訳で後期FXR用のセットアップで組みたいと思います。TC88のスターターギア比には出来ませんが、これで最新型のVPクラッチを組み込む事が出来ますのでクラッチの操作は劇的に良くなります。

そんな訳で車体左側の作業はVP待ちとなります。

車体右側は組んでおきました。今回車検整備のご依頼もお受けしておりますのでまだまだ整備は続きます。


オマケの画像は此方↓
W1SAの乗り味がとても良いので自分用に一台車両を作る事にしました。
W3フレームを使いますが、オリジナルには一切拘らず、自分が走り易いよう好き勝手に作るつもりでいます。
W1SAは取り敢えずひと段落したし、冬の間は禁漁で釣りにも行けません。
定休日の暇つぶし程度に作業したいと考えています。

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