2020.11.06 Fri
'89y FXRS T/Mの調整と組立。
他にも在庫用のスターターリレーやプライマリー回りのガスケット等々、、常時ストックしておく事で急な修理に対応します。

さて、届いたベアリングをトラップドアに組みました。
よく見るとお分かりになるかと思いますが、取り付けしてしまうと見えなくなってしまう為、ベアリングのアウターリングには品番の刻印がありません。見え易いインナー側に打刻があるあたり流石は日本製だと言えます。レーザープリントではなく彫ってあるところも素晴らしいです。


仮組みだったメインとカウンターシャフトASSYをもう一度外し、再度ケース内部をクリーニングしてチェックを行います。

トラップドアをセット。規定トルクを均等にかける為アルミスペーサーを使っています。
この方法の組み方だと各ドライブシャフトの固定ナットを締め付けしないと、シャフトがプライマリー側に寄ってしまうので最初シャフトが回りません。各シャフトの固定ナットは”使い捨て”のナイロンロックナットですが、まずは古いロックナットを使ってシャフトをトラップドア側に引っ張り、正しい位置を出します。

シフターフォークとシフタードラムを組みます。

ここからの微調整が最も重要。まずは仮り組みしておいたシフターアームを動かしてシフトのアップ、ダウンを繰り返し、調整ボルトを回してシフトポールを丁度良い位置にセンタリングします。ここはシフト操作する度に微妙に変わる事が多いので、何度も何度も徹底的に行います。


シフトポールの位置が決まったところで一旦シフトリンケージを外し、シフターシャフトのオイルシールを装着します。
何処も同じですが、オイルシールを"組む前"と"組んだ後"、必ず2度動作確認を行います。
シールを組むとその分回転抵抗になる為、動きが若干重くなってしまうからです。

次に調整するのはシフタードラムの"アソビ"です。まずは現状でのクリアランスを計測しますが、規定値を大幅に外れていました。ここは厚みの違うシムを使って隙間を調整します。


敢えて薄いシムと、厚いシムをそれぞれ装着してみて、再度シフト操作を繰り返します。シムの厚みを変える事でシフトドラムの左右方向の動きが小さくなったり大きくなったりする為、思いのほかシフトの入り方が変わります。
シフトが最も素直に入るところを見つけるまで根気よく行います。

ようやくT/M内部の調整が終わりました。
FBとインスタに動画をアップしましたが、T/Mの回転は頗るスムーズで、オイルレス+オイルシールレスにも関わらずベアリングの回転音は一切してません。これがH-D純正の海外製ベアリングだと”シャー、シャー”と必ず音が出ます。日本製ベアリングの精度の高さはやはり世界一じゃないかと。
T/Mのメインシャフト、カウンターシャフト、各ギア全てをTC88用に交換しました。メインシャフトを前後方向に回転させた際でも、メインとカウンターのギアの歯が当たる打音も本当に小さくなりました。ギアがヘリカルになった訳ではありませんが、歯の形状だけでこうも変わるものなのですねぇ。頑張ってTC88仕様にした甲斐があったというものです。

あとはT/Mケースのアウター側オイルシールを組むばかりですが、ここもストレートに年式準拠ではなく、TC88と同じ仕様にアップグレードしたいと思います。という訳で、作業は明日に持ち越します。

オマケの画像は此方↓
'94y FXDはフロントサスペンションを組んでオイルを入れておきました。明日まで放置してエアを抜きます。

- 関連記事
-
- '89y FXRS 1次ドライブの検証。 (2020/11/08)
- '94y FXD / '89y FXRS。 (2020/11/07)
- '89y FXRS T/Mの調整と組立。 (2020/11/06)
- 失敗DAY。 (2020/11/05)
- '89y FXRS T/M後期コンバート〜EVO/TC88/TC96。 (2020/10/29)