2020.10.31 Sat
T-man SE124R FXDBI クイック修理。
新品のプライマリーチェーンが伸びてきておりチェーンのアソビが大きくなっていたのですが、以前逃し加工を施したにも関わらずまたプライマリーのアウターカバーにチェーンの打跡があります。という訳で更に逃し加工。
しかしながら傾いた状態で当たっている、という不思議な傷の入り方です。

で、1次ドライブを手で揺さぶってみたところ、あろう事かエンジンスプロケットに少しガタがあります。スプロケットボルトが緩むような甘い組み方はしないので??だったのですが、原因はこれ。
内側で割れていたので外から目視した状態では分かりませんでした。
エンジンスプロケットがこのスペーサー分遊んでしまいますから、プライマリーチェーンがアウターを変な感じに叩いていた訳ですね。

初期TC96の"泣き所"でもある箇所なので随時部品をストックしています。この車両では初めて交換となりましたが、自分のレーサーでは2度交換歴があります。

組み直すとしっかり締まりました。序でに気持ちチェーンが緩い気がしたのでSEテンショナーの"ギザギザ"を2コマだけ移動してチェーンを張りました。これで規定値あたりのアソビに入りました。
この車両にはヘッドブリザーの"T-REV"に加え、エンジンオイルタンク側にもワンウェイバルブが装着されています。
車両に異音が出てから、クランキングするとプライマリー辺りから空気を吸ってオイルが”ボコン、ボコン”と泡立つような変な音が出ていました。
T-REVをつけても普通そんな症状は絶対に出ないのでこれも不思議だったのですが、このエンジンスプロケットを修理した事で音は消えました。
当然原因は分かったのですが、ここはご自身で考えてみて下さい。まぁそう簡単に答えは分からないかと思いますが、、なるほどなぁ〜と感心した次第です。

トラブルは非常にマイナーなもので大事には至りませんでした。店への往復も当然自走で来て頂いた訳ですが、ストックの倍ほどのパワーが出ている車両を街で乗るには、やはり常日頃から気を遣う事が重要です。
この車両のオーナーさんは下手なプロ以上にとても"耳が良く"、微細なメカノイズの変化にも気がつきますし、その都度直ぐに持ち込んで頂いている為、壊れてしまう前にリカバリーが出来ています。
ショップ側だけの努力でも、オーナー様だけの努力でも、どちらか一方が欠けもこの車両を良い状態で維持していく事は到底不可能。当方のレーサーと同等か、もしくはそれ以上の車両ですから一筋縄ではいきません。
自分が触って造った車両ですが、いつも初心に帰らせてくれる、緊張感のある車両です。
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