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MARUMASU Motorcycle Lounge

2006 - 2023 Specializes in Harley-Davidson / Japanese Classics Maintenance & Speed Pro Shop " The Spirit of Bonneville Salt Flats" Land Speed Racing. / 2010/2011 FIM World Speed Record : 2011/2014 AMA National Champion : 2017 Fastest EV Motorcycle in Colorado Mile Race.

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'89y FXRS T/M後期コンバート〜EVO/TC88/TC96。

今日はT/Mオイルまみれの1日。
自分の忘備録にもなりますので画像は多めに撮っています。

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まずは'89y FXRSの続きです。車体ライトサイドを分解します。

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マフラーは当店ボンネビルSPLですのでエキゾーストフランジパイプ部分から先だけ外します。超絶整備性良いです。笑

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いつもならT/Mアセンブリをケースからズボッと抜くところですが、今回は検証したいところもあるし、何よりトラップドアは元のものを使いたかったのでドアを外します。

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T/M回りの作業は、部品の脱着時大量のSSTが必要になります。SST無しでは作業はかなり難しいので個人ではなかなか手が出せない箇所でもあるかと思います。

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トラップドアをベアリング毎外します。

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で、メインとカウンターをそれぞれ抜き取ります。

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次にメインドライブギアとメインベアリングを抜く準備です。

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よく漏れるシフターシャフトシールは最も初期のシングルリップ。当然ダブルリップに交換します。

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エボ5速T/M唯一のボトルネック、シフタースプリングは必ず!対策品に交換します。

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メインドライブベアリングはNTN製に交換します。ベアリング内部隙間も純正準拠に合わせる事が重要。

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T/M検証中、、、

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歯の先が台形になっているものがエボリューションの各ギア。

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歯の先が尖っているのがTC88以降のギアです。エボのギアが壊れた際、純正部品を取り寄せるとこの尖ったタイプのギアが届くそうです。これは今日ディーラーで教えて貰いました。ですから必ずメインとカウンターをセットで交換しなければなりません。

当初後期エボのT/Mアセンブリをごっそり移植するだけのつもりだったのですが、この話からもTC88のギアの方が性能が良く、TC88用に変える方が良いに決まってます。台形だったのは当時の技術的な問題で出来なかった、とも推測されますので、今回もまたT/M内部をTC88化します。

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ギアはこれで決まりましたが、オイル漏れ最大の原因がこのT/Mメインシャフトシール。
日本製で代替品が無いのかテルに調べて貰います。H-D純正でも、JAMES製でも必ず漏れるので、規格に無ければシール屋さんに特注で作って貰うつもり。ここは大枚叩いてでも対処するべき箇所ですので。

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エボFXDダイナで使うダウンチューブのパウダーコートが上がって参りました。

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昨日輸入関税と手数料をPaygeeで振り込んでおいた為、早速OD6が届きました。此方はまだしばらく先になりますが、FXRにインストールします。

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で作業は続きます。まずはメインドライブギアを外し、次にメインベアリング抜きます。

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NTN製のベアリングに変えました。

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で、メインドライブギアを圧入。

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同時にTC96用の6速T/Mもケースからメインドライブギアとベアリングを抜いておきます。使うSSTは似ていますがサイズが違います。
因みにこのT/Mとエンジンは"ファントムゲート"さんのTC-FXRにコンバートされます。

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"壊して抜く"6速用のメインベアリング、、なんだかなぁこのベアリングは。。

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T/Mケースの全バラ完了。これでT/M側は全てパウダーコートに出せる状態になりました。あ、作業用のトレーが足りなくなったので段ボールを曳いて作業してます、、貧乏臭くてスミマセン。

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'89y FXRに戻ります。煩雑、、、疲れてます。

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シフタースプリングを対策品に交換。

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どうしても確認したいところがあったので二階倉庫に転がっていたTC88ダイナのT/Mを引っ張り出しました。

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なるほど。

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結局エボとTC88の部品を混ぜ合わせ、"ハイブリッド"で仮り組みしてみました。

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動作を確認しました。干渉しているところも無いし静態とはいえ問題なく操作が出来ます。
こんな地味でマニアックな事をやっているショップさんも少ないのでデータが一切ありません。現物合わせで確かめるしか方法は無い訳です。

しかし、シフトフィールこそ最も大事な訳で、下手をするとエンジンよりも大事なのかもしれない、と最近は思います。
気持ちの良い乗り味も、気持ちの良いエンジンとシフトの操作感があってこそだと思います。

ハーレーは国産のようなカチッとした節度のあるシフトフィールになかなかなりませんよね?
それはあの馬鹿程長いメインシャフト故の、"しなり"が生じるので曖昧な感じのフィールになっていると思います。そのうえメインシャフトの先には、重たいクラッチユニットがくっ付いてグルグルと回っている訳ですから。

かといってガンガンに焼き入れをして硬くしてしまうと今度は負荷が掛かった時にポキっと一気に折れてしまったりします。あのクソほど重いフライホイールが1次チェーンを介して回っていますので、その破壊力は凄まじいものとなりますからどうしても適度な柔らかさは必要な訳です。

"硬く"て"屈強"なのが最もシフトフィールを上げる訳ですが、それを商品として具現化しているのがBAKERでして、シフトフィールも最高ですけど、その分価格も最高です。

純正部品は大量生産品だから対コスト、というところも当然あります。致し方無い訳ですが、"BAKER並み"というのは不可能ですけど、ショベルならエボみたいに、エボならツインカムの車両みたいなシフトのフィールに変えたいんですよね。普通に修理する"だけ"なら誰にでも出来ますし、マニュアル通り組めればプロのメカニックなのか、と言えばそれは違うと思います。

オイル漏れも2年毎位にシールを交換、なんてバカな事はやりたくないし、何故に半世紀も前のホンダやカワサキは漏れないように出来ているのに、ハーレーだけがボロくて漏れるのか本当に腹立たしい。ケース側の問題もあるから余計に面倒です。

「アメ車だから仕方ない」
「ハーレーだから仕方ない」


この二言は出来れば口にしたくないと思っています。


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このFXRのT/Mの程度は良かったですが、接触箇所の"アタリ"は年式相応。
やはり何処かのタイミングで見直すというのが古い車両との正しい付き合い方なんじゃないかと思います。

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