2020.10.17 Sat
TC96エンジン+TMのフルオーバーホール〜其の壱。
白いエンジンなのですが全てパウダーコートしてブラックにするというご依頼です。全バラですのでフルO/Hを行う事になります。

で、本日。早速分解します。





分厚いカーボンが付着しています。元は電スロのインジェクションFLHから外したエンジンASSYという事ですが、セッティングが出ていなかったのか、それともストックで乗っていたのか、、真相は分かりませんが大人しい乗り方だったという事は伺えます。

ピストンも悪くないです。計測してみた都合ですが、コーティングを施すだけで良いと思います。



トップエンドが外れました。続いてボトムエンドも分解しましょう。

油圧のテンショナーシューはまだ残っています。

オイルポンプギアの当たり面もとても綺麗です。オイル管理も良かったのでしょう。

ピニオンシャフトも問題なし。あまり走行距離の伸びてない車両だったんでしょうか?

ケースを割る前に内部に残ったエンジンオイルを抜きます。

少し硬かったですがケースが割れました。

TC96は左右共にストレートのローラーベアリングですのでフライホイールは手で外せます。

パウダーコートする部品を並べます。まだヘッドやケースなどは細かく分解してベアボーンにしなければいけません。


なにが一番面倒かといえば、外した部品の管理と保管です。錆びないようにしなければなりません。


次は6速T/Mを分解します。
エンジンを分解するよりもはるかに手間なのがT/Mです。

いつの年式からなのか分かりませんが、6速になってからのT/Mはメインドライブギアのナットが逆ネジから正ネジに変わっています。このように純正プーリーのままならRH(Right Hand) と記載があるので分かりますが、社外のスプロケットやチェーン化されていると分からなくなってしまいます。ここを正ネジにするあたり、ハーレーは馬鹿なのか狂っているのか、、

エアーインパクトが壊れるかと思うほど硬く締まっておりました。

プライマリーのインナーベアリングレースも鬼のように硬かった、、

社外のバックギアキットが装着されていました。それも外します。

T/Mアッセンブリを抜く際、オイルディップゲージを抜かなかった為にゲージが折れました、、これは当方のミス。
で、ノックピンのようなものが2本、内部から転げ落ちてきました。これは一体何?見た事無いのでバックギアの部品でしょうねきっと。


T/Mが抜けましたが、トラップドアも当然白いワケでして。。ここを塗らない訳にはいかないと思いますので、T/Mは全バラですかね、、ここをバラすかバラさないかで必要な部品(=部品代)が大きく変わってきます。


あとはケース側に残っているメインドライブギアと、その奥にある"悪名高き"6速用のメインドライブベアリングを外せばT/Mケース側は全バラとなります。

業者様、個人様問わずエンジン単体でのオーバーホールやリビルトをお受け致します。業販設定も御座いますのでお気軽にお問い合わせ下さい。
オマケの画像は此方↓
遣れた"当時モノ"の雰囲気が似合っているのでW1は必要以上に磨いてはおりませんでした。
しかしながら、やはり単車やクルマは綺麗に越した事は無いし、ピカピカなのは見てても気持ち良いので艶出しコート剤で車体全体を磨きました。

古くてもやっぱり小綺麗な方が良いです。

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