2020.08.24 Mon
初期エボFXST クラッチの修理。
車両も見ずにお受け致しましたが、ソレノイド別体型のスターターと聞いていたので88y以前だとは思っておりました。
また、リジットバーでリジット化してある、との事だったのでまぁ大凡予想してたとおりの車両です。
普通クラッチが張り付いていたら乗ってくるのはかなり難しいので??と思っていましたが、どうやらクラッチは張り付いておらず、クラッチケーブルが弛んで切れなくなっている模様。まず怪しいのはレリーズベアリングの粉砕です。
クラッチワイヤーを限界まで引っ張っても切れないので、モンキーをカマしてありました。笑

まぁ此の手の車両は何処も彼処もオンボロで(失礼!)、なかなか一筋縄ではいきません。パッと見ただけでもキャブはオーバーフローしています、、

ダービーカバーは開けた事が無い、という事でしたが、強烈な液体ガスケットで接着されており、マイナスドライバーを突っ込んでようやく外れるというレベル。という事は当然クラッチ調整は一切行われてはいない、という事になります。

で、お次にT/Mサイドカバーを外します。ご自身でも外してみたそうですが、特に問題無さそうに見えたのでそのまま閉じてしまったそうで。その際粉砕したベアリングは無かったという事です。

聞いたとおり、レリーズベアリングはしっかり生きておりました。

サイドカバーに目をやると、そこにはあってはならないモノが、、なんとXL用のクラッチレリーズランプが付いているじゃありませんか!!笑笑笑 えーー!っと声に出してしまいました。
どうしたらわざわざスポーツスター用になってしまうのか、さっぱり意味が分かりません。
今までよくマトモに乗れていたと思いますが、多分ずっとレリーズシャフトがランプの浅いところに引っ掛かった状態だった為クラッチは切れていたのですが、何かの拍子に外れてXLランプの六角の穴に嵌まり込んだ為、ワイヤーが弛んで切れなくなったと思います。乗っていたら急になった、と伺っているので間違いないと思います。

クラッチケーブルも長さが足りてなくてマフラーフロントパイプと干渉しており、そこから内部が溶けてワイヤーと固着してました。クラッチレバーの"テコの原理"だとなんとか動きますが、ワイヤーをペンチで引っ張ってもビクともしないほど動きが阻害されています。

ま、原因は分かったので組む準備。ガスケットを剥がして脱脂。

レリーズランプは中古ですがBT用に交換。ランプの穴が丸いのがBT用。笑

T/M側はリカバリー完了。

クラッチのアソビを調整。

クラッチワイヤーも少し長めのものに交換して、取り回しも変更しました。

しかし、久しぶりに89yまでの初期エボクラッチを握りましたが、、今考えれば有り得ないくらい重いです。

オーナー様は結構ご年配の方ですが、そもそもハーレーのドライサンプ方式をご存知ではないようで、オイルは国産車のように全てを賄っている、と思っていらしたようです。ですのでプライマリーやT/Mのオイルは多分4年とか交換されていないようなので凄まじい汚れ方。ここは絶対に交換しておくべきですので交換します。

オイルラインもタコの足の如く絡まっていますが(笑)、、ここは見なかった事にします。

そんな訳でリカバリーは完了。
この週末で4台の車両を仕上げて収める事が目標でしたが、何とかクリア出来てほっとしています。

オマケの画像は此方↓
海外に手配してあったワイヤースロットル用の6.9g/sというハイフローインジェクターが届きました。
少し前までワイヤースロットル用は6.2g/sが最大でしたが、今は6.9gも出ているようですね。
丁寧にテストレポートまで添付されていたので、信頼出来るインジェクターだと思います。
このインジェクターは来年のボンネビルのレースで使うつもりでいます。

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