2020.07.12 Sun
'98y FXSTS 腰上O/H〜分解。
で、FXDCとの入れ替わりで入庫したのが最終エボ、FXSTSスプリンガーソフテイルです。
エボのスプリンガーは未だ人気が高く、特にスプリンガーソフテイルクラシックなどは根強い人気を誇っており当店でも数年に一台は作業をさせて頂いております。どの車両もオリジナルが"マスト"ですので綺麗な車両が多いのも特徴ですね。
今回入庫して頂いたスプリンガーソフテイルも当然オリジナルペイントでストック然とした佇まい。


マフラーのフロントパイプはファットボーイ用?の純正を流用してあるようで、なかなかセンスが良いです。

今回の案件はエンジンオイルを相当に消費する、という事で修理のご依頼なのですが、マフラーエンドには酷い量のカーボンが堆積しています。厚みが出る程の量です。
前後共にコンプレッションは160PSIありましたが、約1000km走るとオイルレベルゲージにオイルが付かなくなるまで減る、という事ですので1000km走行で500ml前後燃やしている事になります。
ただ、走行距離は7万キロで一度もO/H歴が無い、との事ですので、まぁ普通と言えば普通な事で、オイルを喰う以外は至って調子も悪くないようです。

で、早速分解します。




点火がDYNA-SでVOESは使っておりませんが、切りっ放しで放置してありました。コネクター部分から撤去します。


まぁどこもオイルまみれ。


少し前に他店様でインナーカムベアリングを交換がてらカムをEV-3にしてあるそうです。で、ロッカーまでは開けられた形跡が残っております。このJAMESの一番安い紙ガスケットはちょっと頂けません、、

ヘッドボルトは一度も外されていないので鬼の硬さでした。。

ヘッドご開帳。しっとり湿ったカーボンで全体的に埋め尽くされています。

ピストントップも同様。

ピストンスカートが真っ黒だったので最初見た時驚いたのですが、多分、ですが、最終のエボリューションのピストンにはコーティングが施されていたのではないかと思っています。勉強不足で申し訳なし。


セカンドリングの"アタリ"がちょっと変わっています。

当たり前ですが、ピストンは純正のSTD。

流石に前後方向のスカート部分のコーティング?は無くなっておりますが、それでも新品の時の切削跡がしっかりと残っています。よほど丁寧に乗られていたという事がはっきり分かります。
ただ、ピストン〜シリンダーのクリアランスは計測するまでもなく、大きく磨耗しておりました。まぁ走行距離7万キロですから仕方ないのですが、"オイル上がり"がオイル喰いの原因のひとつです。ここはO/Sピストンで組み直すしか方法はありません。

続いてヘッドもチェック。やはりバルブからも"オイル下がり"しています。バルブシールの交換だけでOKなのか、それともバルブガイドまでダメになっているかは明日調べます。

エキゾーストポートはカーボンが堆積して神秘的な感じになっております。笑
ここまで毛の生えたようなフカフカの状態には、なかなかなりません。

エンジンの調子はなかなか良いのですが、尋常じゃない程のオイルを喰っていたのはオイルの"上がり"と"下り"双方からオイルが燃焼室に流入していた事が原因でした。まぁ予想通りでしたが、これから必要な部品を手配したいと思います。

今回は時間的、金銭的な制約があるのでなるべく安上がりに仕上げたいと思ってはいるのですが。
しっかりやらなきゃならない箇所の手を抜く事は出来ないので、なかなか難しいところです。

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