2020.07.02 Thu
TC95 FXRS リカバリー。
一刻も早く車体下回りの漏れたオイルを綺麗にしたいところですが、まずは基本中の基本、ヘッドブリザーから内圧が抜けているかエンジンを始動してチェックです。

完璧にオイルミストとエアーが分離されており、油分は一切出ていませんが、しっかり圧は抜けてくるのでここは問題なし。

次に試したかったのはエンジンオイルフィラーキャップ毎交換するワンウェイバルブ。効果は実証されておりますが、生憎6速T/M用しかリリースされていませんのでTC88の5速T/Mには使えません。

プライマリーオイルをドレンしチェック。なんだか濁っていますが、R/Pの紫色と混ざってなきゃ良いのですが、、

どうしたものかと自分のFXLRを見ながら考えます。
ボンネビルでコースを走った後、オイルタンクキャップからオイルがスプレーしているのは毎度の事です。高回転・高負荷で最も内圧の影響を受けるのはドライサンプ・エンジンの場合オイルタンクです。やはりオイルパン側で抜くのが最も効果がある筈。

それでは、という事で簡単な工作をします。まずは店に転がっていたTC88用のオイルフィラーキャップのレベルゲージを抜き取り、キャップの中心にM8.5のドリルで穴を開けます。

そこにテーパーのインチタップを立ててからL字型のニップルを装着。キャップは5ミリ以上の肉厚があったので強度的に問題はありません。

で、もともとこの車両で使っていたT-REVを繋ぎ、ブリザーホースを前方側に取り回して完成。

良い感じに"メカメカしさ"が増しました。この配管ならオイル交換時の整備性も悪くないと思います。

序での作業、エンジンオイルホースカバーを付けます。マフラーや右側のステップ、ブレーキペダルを外します。

これがカバー。無くても困りませんが、ここは個人的に拘りたかった。有ると無しでは仕上がりの自然な感じが変わります。

分かり難いですが、ボルトも当然ダイヤモンドE/Gのボルトで揃えています。

装着しているチタンマフラーはもともとダイナ用。ですのでFXRのステップをストックのままの角度でセットすると干渉します。

風圧で自然に倒れてきてたステップを修正。これで右側は完成。レーサー同様に、必要な箇所はワイヤリングを施しています。普通はここまでやりませんが、この車両の場合は特別です。

プライマリー側はアウタープライマリーカバーのガスケットを交換するだけですが、一番大変な車体に漏れたオイルのクリーニング作業が待っています。面倒だー、、

車両を表に引っ張り出し、ひたすらガソリンスチーム。徹底的に油分を落とします。

シャシー周りの油分は完璧に抜け、"カサカサ"なドライの状態になりました。再度漏れた時の検証時に油分が残ってしまっていては、何処から漏れたのか原因追求が難しくなります。

あとは組むだけ。

'91y FXRのオーナー様が今日の夜、引き取りに来てくれるという事だったので、表に出して最後の磨き作業。
夜に引き渡ししましたが、当店では唯一20代のオーナー様。FXRを買ってから、初めてクラッチが正常な状態で乗った、と喜んでいたのが印象的でした。
こういった若いオーナー様でも気軽に楽しめるようなハーレーを、しっかり整備する事こそショップの務めであると思います。単車に興味のある若い世代が居なくなってしまったら、この業界もおしまいですから。
またいつでもドウゾ!

アウタープライマリーカバーを組んでおきました。一晩置いて、明日オイルを入れたら取り敢えずは完成です。


これでプライマリーの内圧が下がり漏れなければ良いのですが。後日テスト走行してチェックします。

さてさて、お次は'92y FXDC。
公認取得の為の事前書類の準備が整いました。車体を少し手直しして、来週〜再来週辺りで関東陸運支局に持ち込みたいと思います。

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