2020.06.27 Sat
TC-FXR / '71y W1SA トップエンド組立〜其の壱。
TC95 FXRSはアウタープライマリーカバーを組んで仕上げました。一晩置いてからプライマリーオイルを入れます。


クイックでTC96 FXRS。
T/Mオイルがドレンボルト辺りから滲んでいる、という事でチェック。

もともと付属していたデビアント製ドレンボルトのクラッシュワッシャーの大きさに問題がありました。ホンダCB用のクラッシュワッシャーが適当だったので交換して対応。
あとはHSRのメインジェット変更、スパークプラグワイヤーを交換して滞りなく終了。TC96を搭載したFXRですので特に問題になるところも無く、距離を重ねております。

本日も有難う御座いました。

で、ここからが今日の実作業。W1SAのトップエンドを進めます。
まずはパウダーコートを施したシリンダーの"砂落とし"から。しつこい位に徹底的に洗浄して丁度良いくらいです。

洗浄したシリンダーに、まずはタペットユニットを装着してみてチェックします。以前は引っ掛かりのあった箇所も加工を施した事により最適なクリアランスになっていました。タペットはバッチリ。

次にピストン〜シリンダークリアランスを"念の為"再計測します。内燃機加工を依頼している業者様の手腕は分かりきっているので今更測るまでもないのですが、、ま、作業ノートに数値を記録する為だけの作業です。


次にピストンリングのエンドギャップを計測、調整します。

以前、ハーレーでは個々のリングエンドを手作業で調整する、と後輩のレースメカニックに話したところ笑われました。日本車のエンジンでリングエンドを調整するなんて事はまず無い、と聞いて驚いたのを覚えています。
このW1で使う日本製ピストンキットも御多分に漏れず、調整する必要は全くありませんでした、、日本製ピストンリングの性能は世界一じゃないでしょうか。

計測の終えた各リングをエンドの向きを調整しながらピストンにセットします。日頃ゴツいハーレー用のものばかり扱っている為、ちょっと不安を覚える程華奢なので逆に気を遣います。

2個のピストンをコンロッドにセット。ピストンはエクステンション2本を使って固定。

タペットを固定するボルト4本をセットして、ロックプレートで回り留め。

アッセンブリルーブは今回ケース側に垂れ落ちるのを避けたかったため、硬めのルーブで全て組み付けします。


液状ガスケットを両面塗りしたシリンダーベースガスケットをシリンダー下面に貼り付けておき、シリンダーをセットします。この日本製のシリンダースリーブにはピストンを入れ易いように元からテーパー加工が施されています。そのおかげでピストンリングコンプレッサーを使う事なく、また叩き込む必要もなく、シリンダーの自重でほぼセットが完了します。
本当にWが好きな方が、全てを理解した上で設計・販売している事が分かります。こういった素晴らしいアフターパーツがリリースされている事は有難い限りです。

シリンダーはベースナットを締める前にクランキングを何度も行い、シリンダーのセンタリングを行い"座り"を良くします。その後ベースナットを数回に分けて本締め。

ヘッドを組んでおく事も可能だったのですが、慌てずじっくり組みたいので明日に持ち越ししました。

明日は来客の予定が多い為、作業はボチボチではないかと思います。

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