2020.06.05 Fri
'71y W1SA / TC95 FXRS T/M搭載。

で、他に届いていたのはW1SAで使うSTDサイズのピストンです。
以前記載しましたが、W1SAには1.0mm O/Sピストンが既に入っており、カワサキ純正ピストンはSTD/0.5/1.0の3種類しかありませんし、何れも既に入手は不可能になっています。で、前回の腰上オーバーホール作業ではピストンの交換を諦めたのですが、調べてみたところ、アフターメーカーから鋳鉄シリンダースリーブが発売されているではありませんか!もっとしっかり調べるべきでした。
シリンダースリーブを打ち替えれば再びSTDサイズから始められる訳ですし、それなら、現代のピストンリングが使える国産ピストンに交換してしまおう、という事にしました。
詳しくは書きませんが、ピストンリングは内燃機関では最重要部品のひとつです。ピストンの材質もそうですが、リングの材質や形状も日進月歩、約半世紀も前のピストンリングと、現代の技術力で作られたピストンリングの性能はその差歴然です。
左側が今回入手した国産ピストン、右側がカワサキ純正の当時物デッドストックピストン。リング溝の幅が全く違う事が見てお分かりになるかと思います。

更にピストンはレース車両と同じようにコーティングを施したいと思います。で、スカートのエッジの部分のバリを落とします。


ピストン重量はその差3グラム。しかし、思いのほか何処も彼処も肉厚が薄い為、今回重量合わせは見送ります。強度最優先、という事にします。本日コーティング業者様に向け発送しておきました。

ようやくTC95 FXRSで使うオイルパンガスケットが届きました。早速作業に入りましょう。

オイルパンをT/Mケースにセット。

T/Mケースとエンジンを合体させるボルト+ワッシャーはこれが純正ボルトです。HDJで購入するとなかなか手強い値段がするのですが、以前バラした車両から外したボルトが上手い具合にありました。

締め付けは数回に分けて40Nm。

オイルラインはこのタイミングでセット。


で、リアエンドを仮組み。

T/Mアッセンブリを挿入しシフターフォークやシフタードラムも組みます。

ここまで来て問題発生。この車両は右側ステップが全てストックのFXRのまま。外側にオフセットさせていないのでクラッチケーブルがブレーキペダルにマトモにぶつかるのでこのままでは装着が出来ません。


そんな訳で、クラッチをBAKERの油圧キットを使って油圧クラッチ化します。

BAKERの油圧キットにはフロント用フィッティングとリア用フィッティングのモデルがあります。今回は中古品ですのでフロント用フィッティングのモデルを使いますが、上手く逃げそうです。


エア抜きのニップルがオイルディップカバーに干渉しています。ここは削って逃がしましょうか。

逃がしました。


マフラーステーを固定するマウントボルトが使えなくなってしまったので、明日更に加工します。

この辺りの加工は車種毎に様々な加工方法を行なっており毎回違うのですが、FXRにTC88エンジン+T/Mをコンバートするうえで、最もオーソドックスな方法を今回は特別にご紹介致しました。出血大サービス。笑

続きます。
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