2020.05.18 Mon
'71y W1SA 腰上の組み立て。


W1SAから装着されたインテーク側の同調パイプ。アールズ製のスーパーストックホースの青色でやり直しました。スーパーストックホースはレースの車両でも使っています。

で、シリンダーヘッドをセット。内側から外側に向け順に締め込みます。締め方次第ではヘッドは簡単に歪んでしまう為、出来る限り細かく刻んだトルクで手早く、ガスケットが潰れた分を複数回に分けて締め付けを行います。

締め付け順序や締め付けトルクはその都度メモ。新規に着手したエンジンですので記録を残す事は特に重要。中心から「の」字の順に締めるというのが基本なのかもしれませんが、、


お次はロッカーアッセンブリ。

ロッカーシャフトのOリングを交換。この辺りはショベルヘッドと全く同じです。

ロッカーシャフトのオイル穴位置の方向を定める為マーキング。


ロッカーカバーをアッセンブリしました。各ロッカーアームの外側にはスプリングが入っており、左右方向にも若干の自由度があります。この辺りの仕組みは流石は日本車、といったところ。

ロッカーカバーを車体にセットする前にロッカーアームに輪ゴムをかけ、アームを固定します。これは多くの"先人達の知恵"です。しかしながらこのやり方にも不適当だと思われる箇所もあったので自己流に変更して作業しました。

シリンダーヘッド上部からタペットを覗いたところです。お察しの通り、慣れないと相当やり難いです、、
ハーレーのように個々のプッシュッロッドカバーなんてものはありませんから、縦に刺さったプッシュロッドは下側のタペットを支点にしているだけ。ですのでバラバラに動いてしまい、何ならクロスしてしまったりという事も起こり得ます。


と、その前に、ロッカーカバーを取り付けするボルト12本を磨きます。


で、ロッカーASSYをヘッドに搭載する訳ですが、4本のプッシュロッドは自由自在に動きますから、ロッカーアームホールに4本全てを座らせるのは至難の技。

慣れないせいもあって何度失敗したか分かりませんが、様々な道具を使ってプッシュロッドを座らせる努力を行いました。ここは慌てず、何度でもやり直すつもりで、じっくり向き合う箇所だと思います。
ここでミスを犯してしまうと、プッシュロッドをブチ曲げる事となってしまいます。。

結局、小一時間以上かかったでしょうか、ようやく4本のプッシュロッドがそれぞれのロッカーアームの所定の位置にセット出来ました。この時点で12本のロッカーカバー取り付けボルトは仮り締めの状態です。
また、タペット・アジャスティング・スクリューを完全に緩めてしまうとプッシロッドがロッカーアームから外れてしまう(!)という驚きのアーム角度なので、アジャスティング・スクリューはロッカーボックスを装着する際でも、逐一軽く締め付けながら作業を行うと良いのではないかと思います。

で、もう一度ボルトを一本づつ抜いて、当方はロックタイトを併用しました。ロッカーボックスにはロックタイトを使わずスレッドコンパウンド、またはグリスで組む事が一般的なのかもしれませんが、ヘッド側のボルト穴にはヘリサートを行なっておりませんので、少量のロックタイトと若干規定トルクを抜く事で対処。
ショベルヘッド以前の、材料の良く無い時代の鋳造アルミ部品に当方が施す方法で組んでみました。この方法が正しいのかどうかは、組んでそれ相応の距離を走らせないと判断出来ません。何事も経験値次第。

なんでも良いのですが、ロッカーカバーの天辺でフレームにエンジンを固定していますよね?これじゃ振動でロッカーケースが歪んだり、クラックが入る事がある、というのも頷けますよねぇ。ロッカーカバーからフレームに固定するのなら、最低でも4つの角のボルトからマウントする構造にするべきだと思います(見た目が悪くなってしまいますが)。

本日はここまで、、ですね。

オマケの画像は此方↓
このW1SAの以前の書類です。
普通所有者の手元には残らない筈なのですが、何故かこの車両には古い書類も付属しておりました。全て英数字とカタカナで表記された昔の書類は貴重です。
また、この時代にも関わらず元のオーナー様は女性だった、というのも珍しいと思います。



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