2020.01.09 Thu
TC88改95 FXRS 点火ポイントの変更。
理由は複数あるのですが、オーナー様には十二分に説明済ですし、ちょっと厄介なハナシなので割愛します。

まずはS&S製のカムギアドライブのカム側のアウターギアを外します。ご覧のとおりTC88用のアウターギアにはカムポジショニングセンサー用の凸が付いています。今回はここが"肝"となります。


カムのアウターギアを外したら旋盤でカムポジションの山の部分を切り落とします。ギアは焼き入れ処理してありますので硬いのですが、大きめのバイトで少しずつ削っていきます。

まずはこのあたりまで。BDLのカムカバーを使うにはこの部分を加工しないと物理的に干渉してしまうので装着出来ません。

削ってはカバーを仮組してフィッティングをチェックします。油圧テンショナーを使わない際に蓋をする、アルミプレートやボルトがカバーに干渉して装着出来ません。そもそもBDLのカムカバーが発売された当時、カムサポートプレートはストックのチェーンドライブか、もしくはギアドライブしか無かった為、現在のように油圧テンショナーも使えるハイブリッドのプレートが存在しておりませんでした。ですのでこのS&S T3カムサポートプレートにはそのままでは装着出来ません。

それではBDLのカバーの内部を削るか、と思いましたが、肉厚の薄い部分があり逃がし加工は無理だと判断。

アウターギアの逃がしは更に拡大。ここもカバーとの干渉を避ける為の追加工。

最後の手段。0.5mmずつドリルサイズを上げていき、ゆっくりゆっくり回す事で切り子が一本に繋がった状態で外側に出てくるように加工。最終的に3.5mmまで穴を拡大し、4.0mmのタップでネジを切りました。失敗したらカムサポートプレートがゴミになってしまうので非常に神経を遣いました。油圧ラインは斜めに入っているのでなおさら難しかったのですが、無事成功。

で、イモネジで埋めれば完了。赤のロックタイトをたっぷり塗って組みました。

で、お次はマフラーとの干渉が無いかをチェック。この時点ではカムエンド・アダプターのタイミングは合わせません。


チタン製のマフラーはもともとTC88ダイナ用です。エンジン側にタイトに寄せてあったのでBDLのゴツいカムカバーに干渉しないか心配でしたが、ご覧の通りクリア。

たっぷり4時間掛かってようやくセット出来る状態になりました。画像はありませんが、マフラーやカムカバーは再度外し、カムサポートプレートのイモネジのロックタイトが効くまで、一晩寝かせます。


池田さん、HBJ届きました。お気遣い誠に有難う御座います!

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