2019.11.05 Tue
エボ5速T/Mの内部ツインカム化。
T/Mアッセンブリが同じなのにシフトフィールがかなり違うのはシフターフォークの材質や強度、シフタードラムの構造や重さの違いなどが相待って、エボとは異なるスムーズなシフティングを可能としています。
JIMSやBAKERのT/Mアッセンブリを何台もインストールした事がありますが、JIMSは兎も角、BAKERのシフトフィールは国産車並みで驚くべきものがあります。100%BAKERの感じに出来ないにせよ、エボにツインカムのT/M回りをコンバートすればフィールは激変するに決まっています。
そこで、各パーツを見比べ検証しました。

まず、最もシフト操作に影響を及ぼすシフタードラムです。エボは無垢の削り出し(鋳物かも)で重さはずしりと重く、1kgを超えています。これほど重いシフタードラムはなかなかありません。まぁドラムの重さで回転を手助けするというのも考えられなくは無いのですが、ハーレーの場合それは"無し"だと思います。

続いてツインカム。今時の車両のメインになっている中空構造のドラムになっています。重さは半分とは言いませんがそれに近い重量です。これだけでもフィールは大きく変わります。

エボのシフタードラムシャフト受け側は見えませんがニードルベアリングで支えています。

一方ツインカムはボールベアリング。直径が倍以上違うので回転のスムーズさも違ってくると思います。

シフターフォークも軽量化されています。強度的にはちょっと良いのかどうか分かりません。

シフターアームもこれだけ長さが違います。アーム長が違えば、シフティングの比率も変わるのでフィールの違いに大きく関わります。長ければシフトストロークは大きくなりますし、逆に短ければストロークは小さくなります。あとエボは対策しないとシフタースプリングが折れる、というネガティブな部分があります。

シフトドラムのストッパーもエボは爪式ですが、、

ツインカムはローラータイプ。どちらがスムーズでシフトが柔らかくなるかは考えなくても分かります。

シフターポール(って言うんですかね?シフトドラムボス??名前が分かりません、ゴメンナサイ)はエボが太めのものが4本。

ツインカムは細めで均等に5本あり左右から挟み込む構造。ここは細くなったポールの強度を保つ為だと思われます。

細かい事を言えばキリが無いのですが、シフタードラムのフォーク溝もかなりスムース化されています。


そんな良い事づくめのツインカム用T/M回りですが、当然ボルトオンで装着出来るほど甘くはありません。以前全く別の作業時にJIMS製のT/Mをインストールした際に施した加工に今回コンバートしてみるヒントがありました。

T/Mケース側を加工する為のSSTを自作したり、部品を追加しての微調整、、組んではバラし、を繰り返す事数十回。

なんとかコンバートしてシフトが出来る事も確認出来ました。気がつけば夜になってしまっておりましたが、頑張った甲斐がありました。誰も気がつかない盲点だと思いますが、エボを正常進化させたのがツインカムですから性能はアップするに決まっています。
これでエボT/Mでツインカムのシフトフィールを手に入れた、、と思います。笑