2019.05.13 Mon
TC96 FXRS-SP / '05y TC95 FXDX。
この"日捲り"もそうですが、手巻き式の振り子時計や、煙草に火をつける際の"燐寸"など、昭和を感じるアイテムに囲まれ仕事する事は、懐古的ではありますが自分にとってはとても快適です。
当方が二輪車全般を"オートバイ"とか"バイク"とか言わず"単車"と呼ぶのも、そういった「昔言葉」を溺愛しているからに他なりません。昔育ててくれた祖父や祖母が使っていた言葉を、この"礼和"の時代に使うのもひとつの拘りであったりします。
関西の方からオーダーの入ったTC88ダイナ用スイングアームを準備します。此方もパウダーコーティングのご依頼を合わせて頂きましたので一旦圧入したベアリングやカラーを外します。

現在B/O頂いている分を合わせると、"ボンネビルSPLスイングアーム"発売以来、合計で11本のスイングアームを世に出す事になります。正直これほど反響があるとは思いもしませんでした。オーダー待ち頂いているお客様、また既に製品を装着して頂いているお客様にも心より感謝致します。
利益を度外視した価格設定にした為、実のところ取り付けを行い工賃を頂かないとあまり"儲け"が出ません。笑
しかし、世の中にこういったモノが欲しい、というリクエストがある限り、そして何より自分が欲しい、と思ったパーツは今後も細々と造っていきたいと思っています。

さて、御託を並べるのはこの辺にして、今日の仕事です。
まずはTC96 FXRS-SP。ボンネビル・スイングアームの追加工が入った為、再度外します。


こちらはリアブレーキユニット。オーナーさんが以前乗っていたエボ・ソフテイル用ですが、今回はこれを流用します。



リアエンドに続きフロントホイールも外します。


取り敢えず代替えのホイールをセットしておきます。達磨状態では危険ですので、、

フロントに装着してあったグライドホイールは年式違いのホイールに3/4"変換カラーを装着してセットしておりました。しかしこれだとFXRの機械式スピードメーターが使えませんので、ボス交換を行い純正スピードメーターが使えるよう変更を行います。

リアホイールはペイントするのでタイヤを外します。


TC96 FXRS-SPは取り敢えずここまで。

続いて'05y FXDXの続き。

オイルシールを交換するので、まずはT/Mケースの洗浄から。


T/Mメインシャフトシール交換。内部のクワッドOリングも忘れずに。

ここまで分解した際は必ず!漏れの有無に関係なくシフターシャフトシールは交換します。

さてさて、本日の難関、BBレースに押されて5ミリほど内部に入り込んでしまったメインドライブギアのオイルシール交換です。何をどうやっても外れず、既存のSSTでは長さが足りずどうしたものか考えた結果が下記のやり方。貧乏くさくワイヤリングで延長しましたが、結果成功。

見るも無残。オイルシールの原型は無し。

がしかし、メインドライブギアは高硬度の焼入れが施されており、それよりも柔らかい金属で作業しておりましたので内部に傷は皆無です。

まだまだ続きます。

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