FC2ブログ

MARUMASU Motorcycle Lounge / KAZ MIZUTANI 

2006 - 2019 Specializes in Harley-Davidson / Japanese Classics Maintenance & Speed Pro Shop " The Spirit of Bonneville Salt Flats" Land Speed Racing. / 310-1 Nishi-bessho, Kuwana-shi, Mie 511-0851 JAPAN.

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

スイングアーム製作の裏話。

オリジナル・スイングアームの製作秘話を、どうぞ。

52877806_564914367346856_7021009388395560960_n のコピー


まずはこちらの画像から。

7Nアルミ合金から削り出したブロックに、スイングアーム母材となっている角パイプを溶接しました。スイングアームのチェーンスライダーと母材の溶接箇所とまったく同じ構造のダミーとなります。


53283320_327541351199794_2251925033456762880_n のコピー

↓この部分ですね。

53574230_1071230066410983_1765438099338297344_n のコピー

で、左右を異なるビートで溶接した後、真ん中で真っ二つに切断します。

52989675_354249235420135_6853736363724898304_n のコピー

切断した2つの部材を比べてみましょう。左側は細く綺麗なビートで溶接。右側は少しボテっとしておりますが、太く大きめのビートで溶接されています。

52877806_564914367346856_7021009388395560960_n のコピー

で、まずは細いビートの方から。表は美しく溶接されていますが、

52757251_376123759874864_9000109693959405568_n のコピー

内側を見てみると溶接の流れ込んだ量が少なく、材料を固定しておいてハンマーで叩くと溶接箇所から破断してしまいました。これでは強度が必要なスイングアームの溶接には不向きです。

53639397_299820694037791_8090034105648939008_n のコピー

次に太いビートの方です。

52833073_303716143625447_2591422557320118272_n のコピー

裏側までしっかり溶接は回っており、熱で母材毎溶着されています。この材料をどんなにハンマーで叩いても溶接箇所から外れる事はなく、母材自体が破壊するまで叩いても溶接自体に問題がありません。

52816969_2213159788950893_5855320049824301056_n のコピー

なぜわざわざこのようなテストを行ったかと言うと、どんなにスイングアームが美しく溶接されていても、内部までしっかり流れ込んでなければ、いずれ溶接箇所から破断してしまいます。知っての通りスイングアームは非常に重い重量と大きな力を支える部分ですから絶対に壊れない強度が必要です。

溶接箇所を1箇所でも減らす為に手曲げに拘り、ビートの美しさは勿論ですが、必要強度が保てるビートの大きさにする、といったところまできめ細やかに注意を払い製作したものが今回満を持してリリースするスイングアームなんです。

また、当スイングアームは全てのモデル用において強固な治具を製作した上、組み上げられておりますが、組み上げ後の溶接の応力分散にも抜かりはない為(必要な最終加工を施してあります)溶接歪みが残っている、という事は皆無です。

溶接歪みが残っているような粗悪なスイングアームでも、ピポットシャフトやアクスルシャフトを少し叩き込めば入ってしまうので通常ほぼ気がつかないかと思います。しかし、当店オリジナルでは、応力分散を行ってから仕上げ加工を行う事で確実に歪みなくセンターが出るよう加工されております。


52914034_622827381487937_4083763275651612672_n のコピー

52762438_329079231287374_7056869363135021056_n のコピー

52842334_541289892946966_1138272440607047680_n のコピー

52898419_428457551224065_2519223723282661376_n のコピー

53003678_1289996867814695_8460270083384541184_n のコピー

なお、このスイングアーム、7000番台という(Al-Zn-Mg系合金・Al-Zn-Mg-Cu系合金 高強度材でありCu系はアルミ合金中の最高強度である)高強度なアルミ合金を使っております。

7075 超々ジュラルミン 用途:航空機など
7N01 鉄道車両用構造材など(アルミニウム合金製の鉄道車両)


しかし、この7N01、一度熱を入れると、もともとの硬度に戻るまでに3〜4週間程度の時間がかかります。その為メーカーのワークスチームではフレームやスイングアームを窯入れしたり、逆に冷却を行ったりといった作業を繰り返すそうです。
よって、スイングアームは製作完了した時点ではまだ本来の強度に戻っておらず、少し時間が必要になります。
よって、ご購入後直ぐに取り付けを行いたいのは重々承知ですが、3〜4週間常温で放置した後使用を頂けるとこのアルミ合金本来の強度を100%発揮出来るかと思います。

上記をお守り頂き、インストールを行って頂けると非常に嬉しく思います。


52974597_400481197395324_8163055821060571136_n のコピー

53003653_385452825571010_4948021969619517440_n のコピー

53140401_419572768858994_9082870157520404480_n のコピー
関連記事

| Bonneville SPL | 21:24 | comments(-) | trackbacks(-) | TOP↑

PREV | PAGE-SELECT | NEXT