2018.11.01 Thu
'08y T-man 107cu" FXDB トップエンド作業。

現在、T-man Performanceにオーダーを入れるとシリンダーヘッドの計測結果は勿論の事、ピストンリングに至ってもエンドギャップの調整、計測まで全て行われており、詳細なスペックシートが付属してきます。しかしながら鵜呑みにする事はせず、Wチェックを行います。


ピストン回りは毎回アップデートされています。ちょっと見難いのですが、軽量化を図る為ピストンピンは内部にテーパー加工が施されています。流石はT-manです。

という訳でピストンピンのスナップリングもスパイラルリング式のものに変更されています。テーパーピストンピンに変更された事でスナップリング当たり面が減少する為、"線"ではなく"面"で当てる方向に変更した結果ではないかと考えます。
なおスパイラルリングは説明書通りに回しながら装着しようとするとほぼ不可能でして、装着にはそれ相応のコツが必要です。

ピストン-シリンダークリアランスは小さめ。当然ながら上、中、下全てビシッと寸法が出ています。T-manの意図するところが読めますねぇ。

リングエンドギャップは中の上、といったクリアランスに調整してありました。100馬力を優に超えるエンジンですのでそれに見合った寸法にしてあります。ここは勉強になりましたね。

リングエンドギャップの方向を調整してコンロッドにセット。スパイラルリングを飛ばさないよう、またピストンに傷をつけないよう慎重にセットします。



前後シリンダーのセットが完了。通常の作業手順を踏む事は当然なのですが、高出力の車両にはボンネビルを走らせるレーサーと全く同じ手法を使い一手間掛けて組み上げます。5速全開を連続で3分、なんて事は一般道では有り得ませんが、それにも耐えうる組み方を施しています。

その合間にタペットのエアーをSSTを使って抜いておきます。

ヘッドも然り。ここは組み方をレース車両と同じように変えています。ほんの些細な事なのですが、、

ヘッドまで搭載出来ました。


T-manで加工が施されたCNCポーテッドヘッド。インテークはフローベンチを使って肉盛りと削りを繰り返したストレートポート状に加工されています。ヘッドにはそれぞれ管理ナンバーが打刻されており、後々のメンテナンスやヘッドパーツ取り寄せの際にも役に立ちます。

エアーが抜けきったタペットをケースに挿入します。

ロッカーカバーとタペットカバーはリンクル・パウダーコートを施したものに交換します。包んであった新聞を見たところ2015年でしたので3年程2階倉庫に眠らせていた事になります。
お客さんのストックパーツと交換になりますので純粋にパウダーコート代金だけのご請求となります。


リンクルパウダーコート済みのロッカーカバー。FXDXの純正リンクル塗装に比べ艶やかで圧倒的に強度も高いです。経年で白っぽくなる事も皆無。どちらもバルブスプリングやロッカーアームの逃し加工が必要になりますので明日加工を施すとします。


明日も続きます。

- 関連記事
-
- '08y T-man 107cu" FXDB エンジン完成。 (2018/11/03)
- '08y T-man 107cu" FXDB トップエンド作業〜其の二。 (2018/11/03)
- '08y T-man 107cu" FXDB トップエンド作業。 (2018/11/01)
- '08y T-man 107cu" FXDB カム交換作業。 (2018/10/28)
- '08y T-man 107cu" FXDB 作業開始。 (2018/10/27)
| Engine Maintenance | 21:09 | comments(-) | trackbacks(-) | TOP↑