2018.06.30 Sat
"ボンネビルスペシャル"マフラーでの注意点について(TC88ダイナ)。
まずはお客様からお送り頂いた画像からご紹介させて頂きます。(お客様に許可を頂いております)
フロントエキゾーストピースがフレームダウンチューブにほぼ干渉してしまっております。当然ながらこれではエンジン始動時に当たってしまう為装着が不可能です。
走行距離は12.7万キロ、エンジンマウント交換後5万キロ程走行された車両だと言う事です。

当店では走行距離3.5万キロのFXDL、STER M/C様では2.2万キロのFXDXに装着しておりますが、どちらもエキゾーストピースとフレームダウンチューブには5.0mm-6.0mmのクリアランスがあり、干渉はしておりません。もともとこのマフラーを設計した時点ではクリアランスを6.0mmに設定しています。
という事でご返送頂いたマフラーを使って、別のドナー車両を用意しマフラー本体に問題が無いのか確認。治具を使ってマフラーは組んでおりますので製作時の人為的なミスが無い限り、ほぼ寸法は変わりません。
今回チェックを行った車両は'00y FXDX、メーター上の走行距離2.6万キロですが、当店で社外エンジンマウントに新品交換しておりますので実走行距離は数千キロです。

ガスケットは純正テーパータイプ、ストレート組みしてこの程度のクリアランスです。フレームダウンチューブは丸形状なのであくまで目視で、ですが、約6.0mmクリアランスがあります。設計寸法通りです。




フレームのラグ(溶接で継いでいる部分)はどの車体でもほぼ同じ位置にくるかと思います。フレーム番号が記載されたステッカーもどの車両でも真っ直ぐな状態だと思いますので、そこを基準にすると下記のような位置関係になります。
写真を撮る位置でも微妙に変わりますが、フロントパイプ印籠部分の溶接ビートあたりが丁度フレームラグの部分にきています。トップ画像と撮影角度が違いますので一概に言えませんが、印籠溶接部分の位置がラグよりもかなり下方にあるような気がします。

仮にエンジンマウントが劣化するとエンジンは重力に逆らえずどんどん下方向へ下がってしまう訳で、フレームダウンチューブは狭くなる一方ですので干渉する可能性が非常に高くなります。
通常、当方はリアのロッカーカバーとフレームの隙間に手の平を差し込んでエンジンが落ちてるかどうかのクリアランスをチェックしていますが、それも数値では無いので曖昧です。という事は実際お客様がご自身の車両のエンジンマウントの"ヘタリ"を確認する事は不可能に近いという事になります。
TC88ダイナのエンジンマウントはH-Dサービスマニュアルを参照すると"16000キロ毎の点検、または必要であれば交換"と記載があります(かなり曖昧です)。まぁ車両の走行状況で変わりますから一概には言えませんが、リミットを越えている車両ではマフラーが装着出来ない可能性があります。
という訳で、本日ウィリーキッズさんと話し合った結果、誰でも簡単にFエキゾーストフランジピースの適正な位置出しが出来るSSTを製作する事にしました。SSTをフロントエキゾーストポートにセットして頂いて、フレームダウンチューブに干渉していないか、5-6mmのクリアランスを確保出来ているかを予めご確認頂けます。
マフラーのご購入を頂く前にご自身の車両への装着が可能かどうか知りたい場合は、無料で貸し出し致しますのでお気軽に申し出て頂ければ、と思います。
なお、フレームクリアランスの比較的大きいTC96ダイナやFXRでは今のところ問題の報告は御座いません。
今回、この案件で折角ご購入頂いたにも関わらず装着出来なかったオーナー様には深くお詫び申し上げます。
また過走行の車両があるという事に配慮が欠けていたところも反省すべき点であると思いました。
問題点は逐一検証させて頂きますので今後とも宜しくお願い致します。
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