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EV-02 シェイクダウン手記~第一日目”多用途試験路”テスト。

忘れてしまわないよう、記しておきたいと思います。
まずは第一日目の多用途試験路でのテストです。(長文失礼)


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茨城県水戸市にある”JARI 城里テストコース”で2日間に渡り、完成したEV-02のシェイクダウンが行われました。
ゼロから車体を見直し、車両開発を約半年という短期間で行った為、今回のテストが事実上最初で最後の実走行テストとなる為、心して臨みました。

13日(水)夕方水戸でモビテックさんらと落ち合い、城里入り。宿舎に泊まり翌日14日(木)は朝7:45にコース入り。
第一日目は”多用途試験路”の直線1500mを使った走行評価を行いました。

車体やカウリングのフィッティング時に跨ってはいますが、実際コースに出て走らせるのは当然初めてです。
レシプロと異なりタコメーターなどは無く(似た機能はありますが馴染みの深い1000-10000rpmといった類の桁のものではないので無いに等しい)、エンジン音も無いのでスタートの瞬間が一番神経を使います。
これまで電気バイクは極低速での走行が極端に難しいという事を感じてましたが、やはりEV-02になってもその事に変わりはありません。正直初めの一本は喉から心臓が飛び出る位の緊張を強いられますが、それは直ぐに慣れます。

いつもどおりスロットルのON/OFFを繰り返してみたり、ワザと蛇行を行い様子を伺います。
一往復する毎に走行データを吸い出し、様々なデータを照らし合わせつつスロットルの設定を変えたり、サスペンションやカナードといった空力パーツを見直したり。

当方は実際のレースで”レーサー”としてライディングするだけではなく、車両を仕上げていくという所謂”開発テストライダー”の役目も兼ねております。

なるべく分かり易い言葉でフィーリングを伝えるよう努力をしますが、言葉で伝えるには難しい事も多いので、そこはバックデータと照らし合わせ擦り合わせを行います。当方が感じる直感的な感覚や車体の動きを、モビテックさんが数値に置き換え解析していくという方法です。

加えて今年からメンバーに加わって頂いている設計アドバイザーのS氏はGPでの実戦経験も豊富ですので、アドバイスを頂いたり、時には実作業でも手を動かして頂いておりました。
終始レーシングスーツの当方はなかなか辛い暑さだったのですが、天候にも恵まれ午前中のメニューは予定通り消化。この時点では車体の出来は良いと感じました。

午後はいつもコース中央辺りで横風が吹くのですが、当日もいつものとおりまた横風が発生。
すると車体が横揺れを起こし、揺り返しも感じます。速度は200km/h前後ですのでまだ速くはありませんが、非常に問題です。

以前のEV-01の時のように転倒するのではないかという程の酷い横揺れではありませんが、ボンネビルでの不意の突風はこんな生易しいものではない為、レース時であれば致命的だと言えます。
サスペンションなのか、それとも空力的な事なのか皆で考えますが、具体的な対処方法が見つかりません。

その時、S氏がちょっとハヤブサに乗ってみたらどう?と言われ、条件が同じ状況下なので比べるのは意味があると思い、評価用のハヤブサに乗り換えコースを走行。正直ハヤブサに乗ったのはこれが初めてでした(評価車両はカナダ仕様のフルパワー)。

T/M付きの160HPは流石に速く、軽くスロットルを捻っただけ、3速の加速でメーター読みでは240km/hを超えていきます。
コースの奥でUターンし復路を走り、240km/h程で伏せていたヘルメットをカウルの外に出してみると大きくアタマが降られる程の横風が、やはり同じように吹いています。
しかし、ハヤブサはそんな事はもろともせず、「勝手に」一直線に加速していきます。
”スーパースポーツ”や”メガスポーツ”と呼ばれる市販車の完成度の高さは目を見張るものがありますが、しかし、改めて眼から鱗が落ちる思いでした。

じゃあハヤブサと何が違うのか、という事になりますが、車重が倍近くあるのは仕方ないとして、圧倒的に異なるのはサスペンションの動きです。ハヤブサはストローク量が多く、しなやかでハーレーばかりを扱う当方にとっては柔らか過ぎるのはないかと思える程の柔らかさ。
S氏曰く、市販車はこれで未舗装路の走行も行わなきゃならない訳だから、どんな状況でも対応出来ないとね、とおっしゃっておりましたが、その通りで御座います。

当方の中では、超高速=足はしっかり目、という感覚が強かったのですが、最近CB550フォアをストックの足回りのまま峠を走ってみた時に、しなやかな足の柔軟性と追従性の高さ、というものを身を持って感じておりました。そのCBに比べ倍以上の重さがあるEV-02でも、同じ単車は単車なんだ、という事に今更ながら気付かされました。

昨今のボンネビルは塩の状況が著しく悪く、バンピーで路面の凹凸に悩まされてきました。
パワーを掛けてもトラクションが掛からず跳ねてしまうので前に進む推進力が発生しません。
今まで疑問に感じていた事の出口が見えてきた気がしました。

という事でフロントサスペンションは予備のものに交換、リアショックはプリロードを抜いて伸びも縮みも最弱にしてみましたが、フロントに関して言えば車重に負けストローク量が足りず、リアはその特殊なスイングアーム長のせいで逆に硬過ぎてストロークせず。
どちらのサスペンションに関しても今回のテスト時で間に合わせる事は出来ませんでしたが、これで横風に対する耐久性が出来れば良いなと思います。

勿論これで絶対に大丈夫だ、と言い切れる保証は何もありませんし、このままだと実際のレースで試すしか方法は無い訳ですが、それでも良い方向に向く可能性は残っているので、その数パーセントにかけたいと思います。

そんな訳で夜まで押した第一日目、多用途試験路でのテストは終了。

バッテリー電圧は抑えたままですし、ここ城里での最高速を競ってもなんの意味も無いので本日のところの最高速は210km/h前後。以前のEV-01では同じコースで260km/h辺りまで引っ張っていましたが、今回は必要以上にバッテリーに負荷をあたえ劣化させても仕方ないので、敢えて出してません。

で、翌日の高速周回路へと続きます。
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