2018.04.13 Fri
'05y FXDL T/M回りからのオイル漏れ修理。

T/Mオイルは綺麗です。ちょっと入れ過ぎですが。

とはいえT/Mケースブリザーにオイルが通った形跡は無し。ここから漏れるのは転倒した時位ではないかと。

T/Mケースサイドをガソリンで洗浄。スイングアームやオイルパンまでオイルが垂れており、長期に渡り少しづつ漏れて次第に酷くなっていったと考えます。

この車両は走行距離6000km。ですので機関は悪くありませんが長期不動だった可能性が高く、その影響を色濃く受けています。

Fドライブプーリー裏側。クリーニングした訳ではなくこれだけ綺麗でした。この状況からもT/M側に問題が無かった訳です。

メインベアリングレースを外します。当然T/Mオイルは漏れてきます。T/Mメインベアイングオイルシールはアウターリップが緩くはなっておりましたが、しっかりシールされてはいたようです。チェック後T/Mオイルはドレンします。

最も汚れていたのはインナープライマリー裏側。走行した砂埃とオイルが混ざり合った物質が固着しており、ここからも長期に渡りリークしていた事が見てとれます。

インナープライマリーベアリングとスターターシャフトシールをプレスで抜き、ガソリンで徹底的に洗浄。さっぱりしました。

インナープライマリーベアリング圧入するのですが、ここはJIMSの強化ベアリングに交換します。純正ローラーベアリングはカジってしまう事も多いですし、部品の価格差もほぼ無いので必ずアップデートしておきます。

裏側のオイルシールもJIMSオリジナル。何処のメーカーのものとも異なる断面形状をしています。

不要になるインナーベアリングレースをSSTで外します。メチャクチャ硬い車両も多いのですが、この車両ではすんなり外れました。

T/Mメインシャフトオイルシールの奥にはクワッドOリングが装着されています。ここも忘れず交換します。

ピックツールでそっと外すのですが、何故だか捻れたような痕跡がありました。新車時からこのような状態だったと思います。

でそれらを交換。今回のオイル漏れの原因ではありませんでしたが、インナープライマリーまでを外してしまったら折角ですので序でに一緒にやっておく事が懸命。この辺りをやり過ごしてしまうと必ず2度手間になります。

あとは逆の手順でどんどん組みます。


素人さんとはいえ国産車ならフレームから組めるオーナー様ですので無難にバラしてあります。がしかし、手順を間違えて外している部分も多く、ここを緩めず外しちゃったのね、という箇所が数箇所ありました。まぁ何事も勉強ですから良い経験になったのではないかと思います。


クラッチバスケットも分解してありましたので洗浄して組みます。通常プラマリーオイルが綺麗であったならASSYで外し軽い脱脂のみで組むのですが。まぁ全てチェック出来るので分解するに越したことはありません。

1次ドライブ完成。

マフラーやバッテリーも外してしまってありましたので車体右側も組みます。バッテリートレー取付ボルトが以前のショップさんの人為的なミスで壊れてしまっており、オマケに装着されていたボルトがボッキリ折れたりで一苦労。

マフラーサイレンサーが走行中に前後共外れて落下した、と聞いておりました。サイレンサーを揺すってみたところ簡単に動いてしまいましたのでサイレンサーバンドが寿命です。前後共に純正品の在庫を持っておりましたので交換しました。サイレンサーバンドは一度緩めたら破棄する部品です。

なんとか夜までに作業は終了。一晩寝かせてからオイルを入れます。
ここまで作業した部品、オイルシールやベアリング、ガスケットに至るまで全て当店の在庫だけで組み上げる事が出来ました。常日頃、馬鹿ほどストックしているパーツ類が今回は珍しく役に立ちました。笑

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