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MARUMASU Motorcycle Lounge

2006 - 2023 Specializes in Harley-Davidson / Japanese Classics Maintenance & Speed Pro Shop " The Spirit of Bonneville Salt Flats" Land Speed Racing. / 2010/2011 FIM World Speed Record : 2011/2014 AMA National Champion : 2017 Fastest EV Motorcycle in Colorado Mile Race.

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'10y XL883N改1200cc 4度目の組立。

去年の12月以来、4ヶ月ぶりの作業再開です。

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昨日まで作業していた'09y FXDLは全ての作業が完了。明日の納車を待つばかりです。

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ようやく作業スペースが空いたので次の車両へ。まずは床を磨いての作業準備から。エンジン仕事の前は特に念入りに行います。

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去年12月にストップしてた883Nです。
シリンダーのクリアランスがオーバーだったのは以前記載したとおり。ピストン-シリンダークリアランスが1/10mmという有り得ない数値だった為、自分が使っているマイクロメーターが壊れたんじゃないかと思い組んでしまった事がそもそもの事の発端。時間的に代品を待てなかった事も当方のミスです。300km近く走らせましたが異音が消えなかった為年末に3度目の分解を行いました。
すると前後共にオイル上がりを起こしており、更に信頼できる内燃機屋さんへ持ち込んで精密計測して頂いたところ、やはり完全にオーバーしていました。

これまでの状況はスリーマイルズさんを通し逐一メーカーに報告して頂いておりましたが、計測写真と結果を伝えたところ当初代替え品を送る、と言っていたにも関わらず梨の礫。。再三連絡を行うと、ようやく返信が来て今度はシリンダーとピストンを送り返せ、との事。

その結果、何も問題ないのでこのままピストンリングだけ交換して使うように、という回答でした。
当然メーカーから代替品も出して頂けないので結果的にスリーマルズさんが”被る”事になり、何ヶ月にも渡りずっとバックオーダーとなっていたXL用1250ccキットは再販しても全く信用出来ないのでキャンセルする事になりました。

これまでBTでは何台も組んできましたし、信頼していたパーツメーカーだっただけに今回の対応は信頼を裏切るに十分事足りる事例でした。日本のパーツメーカーとは違うのでどこのメーカーも正直100%信頼してはいませんが、数ヶ月に渡り作業が止まってしまった事でオーナー様に散々ご迷惑をお掛けしました。パーツメーカーの明らかなミスを問屋やショップが何故に負担しなければならないのか、という理不尽さに胸糞悪い思いをしたこの数ヶ月間でした。
その間も真摯な対応を行って頂いたスリーマイルズ様にはこの場をお借りして感謝申し上げます。


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1250ccキットがダメだった場合を見越してワイセコ製の1200ccリバースドームピストンを自腹で購入してありました。当初オーナー様は1250ccという排気量に拘っておられましたが何度かやり取りをする間に納得して頂け、この度1200ccにする事となりました(ストック1200XLヘッドの1200ccと、883ヘッドを使ってのリバースドームピストン1200ccは当然フィールは異なります)。

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ラバーマウント883スポーツを1200cc化するには1200用のシリンダーが必要です。というのも883はオイルリターンの穴が1200とは異なる位置を通っている為、883シリンダーをボーリングするとスリーブを穴が突き抜けます。なおリジットマウントXLはこの限りではありません。

今回シリンダーは信頼できる国内の内燃機屋さんでボーリングを行って頂きましたので結果は言うまでも無し。此方の指定した寸法にビシッと仕上がっています。当然ダミーヘッドを使って頂いております。

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前回組んだタペットカバーはシリンダーヘッドを搭載したままだった為液状ガスケットが併用できませんでした。今回はヘッドが降りていますのでもう一度やり直しておきます。因みに問題は無かったです。

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まずは1200シリンダーのみをセットし問題が無いかチェック。

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で、ピストンにリングをセットし、コンロッドに取り付けしたらシリンダー挿入。昔ながらの鋳物リングなのでスリーブを入れる際はかなりの抵抗感があります。これはリングの張力ですので抵抗が無いと逆に問題です。このリングの材質や張力に応じナラシ走行のやり方を変えるのが当店流。

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タペットユニットは問題のあった一本だけを交換し、全てを純正に戻しました。ラバーマウントスポーツではタペット回転防止構造がこのプラスチックの部品で構成されています。タペットがしっかりこの部品に入っているのを確認してからカバーをセットします。

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で、プッシュロッドカバー4本をケーキのロウソクの如く立てておき、シリンダーヘッドをセット。ヘッドガスケットはこの車両の仕様では間違いなくオーバークオリティですが、最も信頼できるSE製を奢りました。

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今夜はここまで。明日仕上げられると思います。

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なんだか押し引きがとても重いXLだといつも感じていたのですが、今日なんとなくタイヤを見るとフェンダーがタイヤに干渉しています、、、全く気がつかずテスト走行を繰り返しておりました。。危なかった、、

この手のレプリカタイヤはタイヤにあらず”タダのゴム”です。見た目重視のカスタムには似合っておりますが、走行性能は無いに等しいのでキチンと走りたい方にはオススメできません。

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