2017.10.22 Sun
'10y XL883N 1250ccボアアップ作業〜分解。
分解しながらまずはチェック。前後共にロッカーカバーからオイル漏れ。これはラバーマウントスポーツお約束で、後期のガスケットに交換しても時間が経つとほぼ漏れます。後で説明しますがロッカーボックスの構造自体がそもそも駄目なので、ここはなかなか完璧に止める事が出来ません。


T/Mの追加ハーネスやオーナーさんが独自に手を入れた補器類の配線位置を忘れないよう写真に押さえます。



この配線カバーが邪魔でエンジンの整備性が頗る悪いです。もともとキャブ車のXLを無理矢理インジェクションにしているので更に煩雑。

マフラーはチタン製の2in1。流石に国産品なので脱着が楽です。

スロットルボディのインテークはご覧のとおり真っ黒、キャブ車のようです。乗り方が大人しい事もあって流速が出ないのか、カーボン多めです。

インテークポートもまるでエキゾーストポートのようになっています。


2010年モデルでもロッカーのガスケットは古いオレンジのタイプでした。これは必ず漏れます。

こちらが漏れていない部分のロッカー。溝の中まで乾いていますよね。

で、こちらが漏れている部分。XLのロッカーガスケットはOリングタイプで、ロッカーベースに溝が切ってあり嵌め込むタイプなのですが、外側までオイルが通ってしまっているのが見て取れるかと思います。
エボやTC-BTのロッカーガスケットのように”面”を挟み込む構造でないとリークを完璧に止めるのは難しいと思います。
ここは生産ライン上での工数カットとコストダウンが図られているからだと思います。そう考えるとラバーマウント以前のスポーツスター、つまりはエボBTと共通の3段式ロッカーボックスの方が性能はずっと良かったと思います。

当然ロッカーベースもオレンジの旧タイプ。こちらも御多分に漏れずリークし易い。現行ガスケットは黒いB品番のタイプに変更されています。

ヘッドを降ろしました。久しぶりに見る883のボアは兎に角小さい。笑

走行距離15000kmで大人しい乗り方なのでクロスハッチもバッチリ残っています。

あれ?社外のメーター移動キットでフロントシリンダーが抜けず。

ピストンスカートのコーティングもしっかり残っています。

トップエンドが降りました。今回は純粋にボアアップのみ、という事なのでこれ以上ボトムエンドに手を入れる事はありません。最もお手軽なエンジンチューンとなります。

外したパーツのクリーニングはまた後日。

で、ケースデッキのクリーニング。まずは養生。

地味〜に磨いて最後に脱油。トップエンドO/Hの基本中の基本ですね。

デッキのクリーニングが終了したら装着する社外のシリンダーを仮付けしてみてフィッティングのチェック。今回使用するレボリューションのシリンダーでは何処も干渉するところはありませんので逃がしは無加工です。

因みにレボリューションのシリンダーはニカジルメッキのスリーブレス仕様。ですので強度を増す為シリンダーベース部分が純正に比べひと回り太くなっています。

トップエンドの分解終了です。

オマケの画像は此方↓
社外の8mmはあるのですが、10mmがなかなか無いFXR用のプラグコード。
FXRは唯一IGコイルをVバンクの中央に配置する車両ですから前後のプラグコード長が同じでないといけません。
以前愛用していたサンダーボルト製の10mmは何故かカタログ落ちしていて見つからなかった為、他の製品を探していたのですが、SEでエボ・ツインカムにマルチフィットするプラグコードを発見しました。
エボ用のアングル端子とツインカム用のストレート端子が付属しているのでエボFXR、TCコンバートFXRのどちらでも使えますし、長さも自分でカットして製作するタイプなので好みの長さで作る事が出来ます。
価格も手頃だしオススメです。

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