2017.10.07 Sat
'06y FLHR 修理は推理。

プライマリーチェーンがクラッチシェルに喰われてしまい挟まったみたいです。チェーンも傷だらけで軋んでしまい、チェーンコマも固着したまま。酷いダメージ。

プライマリー分解時、このチェーンテンショナーアームが片当たりして擦り減っていたのを見て気になっていたのですが。。

負荷があまりかかっていなかった部分のクラッチシェルの歯と、

最もアタリがキツかった部分の摩耗差はこれだけあります。プライマリーチェーンはどんな事があっても切断されませんから走行中にロックしてたら大事故に繋がっていました。これで当店まで走ってきた訳ですから、、マズイですね。

一旦他のパーツはクリーニング完了。

ここから何故こうなったのか検証します。
まずオカシイと最初に気が付いたのはインナープライマリーのこの傷。
通常年式に応じた純正クラッチバスケットならまず干渉する筈が無い位置に傷が入っています。
下面や、

上面にまで。これは何を意味するかと言えばクラッチバスケットが傾いたと言うよりも、そもそもクラッチシェルのサイズが合っていないか、チェーンが何かの理由でジャンプしたという事を意味します。

で、まずは後期のエボ用クラッチアッセンブリとFLHRのものを比べます。

スターターリングギアやプライマリードリブンギアは全く同じ歯数で、同じオフセットです。という事は'97yまでのエボクラッチは'98-06yの車両でも流用出来るという事になります。しかしながら年式マッチングでは無くなる為、今後もしも他店様で修理を行う場合??という事になり困ります。それでは駄目ですよね。



ほぼ原因が掴めました。というのはこのクラッチバスケット、見てのとおりプリモの強化シェルなんですよね。クラッチバスケットの爪が分厚いのとアルマイトのカラーで分かります。
そのプリモのバスケットに何故だか純正のハブを組み合わせています。どうしてこうしたのか当方には全く理解が出来ません。
まぁその組み合わせが最悪使えるとしても、ハブの爪が分厚いのでダイナやソフテイルなら兎も角、プライマリーの小さいツーリングモデルではケースに干渉し使えないと思います。
純正ハブだからクラッチをアッセンブリした時の厚さも違っており、ストックより厚みが増している気がします。これなら全ての傷との辻褄が合います。
ただクラッチシェルとハブを組み替えるには油圧プレスが必要ですし、知識も無いと駄目ですので当然素人さんが手を出せる範疇ではありません。この失態はショップさんが行ったとしか思えない訳でして、、とても残念です。ショップ選びは本当に大事です。

で、結局のところクラッチASSY全て、プライマリーチェーン、オルタネーターローターが全滅。嗚呼~遠い目になりますねぇ、、
新品で揃える位ならプリモのドライブキットに交換した方が安上がりですが、これもFXR、ツーリングモデル用なので入手には恐ろしく時間が掛かります。同年式の中古部品が出るのを待つしかないかもしれません。

ま、お菓子食べてリセットです。

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