2017.09.29 Fri
'79y FLH / '06y FLHR カム回りリビルト。
点火がオカシイ、という事でJAFでドナドナされてきました。
しかしアイドリングは問題無いし3速位までは普通に走るとの事。で、とりあえずオーナーさんが持参したダイナSに交換するも症状は改善せず。乗ってみたら3速に入った速度位で全電源が落ちています。
しかし数秒すると復活するのでサーキットブレーカーが飛んでいると思い、先日新品交換したばかりの30Aのメインブレーカーを交換。するとあっさり直りました。
ブレイカーには30Aとはっきり書いてありましたが、思うに中身は15Aだったんじゃないかという予想。もしくはバイメタルが馬鹿になっていたとか。
走らせて電圧が上がらないと落ちない症状だったので、なかなかトラブルシュートに手古摺りました。無事帰宅したみたいですので良かったです。
で、本日もFLHR。細々した部品が届きました。

HD純正新品カムチェーンテンショナーです。一個22,200円也。高い。

スプリング式のカムチェーンテンショナーはカムをサポートプレートから外してしまわないとイン側のテンショナーは交換出来ません。凄まじく面倒な構造でメンテナンス性は一切無視。

この状態で初めてテンショナーがセット出来ます。なんておバカ。。


カムを外してしまったらアウターカムベアリングも新品に交換するしか手はありません。とはいえそのまま純正を組むのは馬鹿らしいし、折角リビルトするのだから新車時以上の信頼性にしておきたい。その為S&Sのボールベアリングにアップデートします。まずはカムサイドのベアリングレースをSSTで抜きます。

此方がそのS&Sのカムリビルトキット。まぁギアカム化などではお馴染部品です。

前後のアウターカムベアリングが外れました。はっきり言いますがギアドライブ化や油圧テンショナー化の方が遥かに簡単で作業時間は短いです。

何故にS&Sを使うかと言えばこれ。信頼の"MADE IN JAPAN"。間違いない訳で。

で、組みます。


前後アウターベアリングがボールベアリング化されました。純正はリア側がローラーベアリングですのでこちらの方が回転抵抗は少ないと思います。実際滅茶苦茶軽く回ります。

一旦イン側のテンショナーストッパーを外してテンションをチェック。

今度はアウター側からインナーテンショナーのストッパーをセットし、カムサポートプレートASSYをケースにセットします。サービスマニュアルにも記載はありませんが、テンションをかけてセットするとカムが"ハ"の字になってしまいインナーカムベアリングへカムを挿入する際に負荷が掛かってしまいます。
サポートプレートをセットしてからオイルポンプセンタリングボルトの4本以外、6本のボルトでケースに固定しますが、サポートプレートはモナカ形状ですので締め方で簡単に歪みます。
ですのでこうしてインナーテンショナーをフリーにしておき、カムをクルクル手で回しながらサポートプレート取付ボルトを締めると歪んでないか簡単に分かるのでお勧めです。

最も重要なオイルポンプのセンタリングです。納得いくまで徹底的にやります。油圧保持の要ですし、ピニオンシャフトを如何に抵抗なくセンターで回すかでエンジンの回りが変わります。兎に角なんでもそうですが、「真芯」でとらえる事がエンジンの仕事では最も大事です。

余計なフリクションを発生させない為にもチェーンテンショナーは最後の最後までストッパーで止めておきます。
そう考えるとTC96の油圧テンショナーがどれだけ優秀か分かるかと思います。

カム回り完了です。

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