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EV-01Z インプレッション〜4月。

なかなか時間が無くて記載しきれてなかった、先月の城里テストの覚え書き。

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【4月20日】
移動日。当方は三重から公共交通機関を乗り継ぎ茨城入り。
水戸駅にてスタッフさんらと合流、テストコース移動。

【4月21日】
朝7時半、城里テストコース内に併設された宿舎を出てコースへクルマで移動。試験路はいつもの1500m直線路、去年12月初旬に行った"TEAM MIRAI"岸本さんを招いてのテスト以来、実に約半年ぶりの試乗。

今回のEV-01Zは今年のボンネビルに出場するに当たり、最終的な車体レイアウト変更を行う前の事前テストに加え、今回追加されたクラッチシステムとトラクションコントロールについて検証する事が当方の仕事です。

先日行われたブルズアイさんでのダイノ評価を行った時点でも既に変更されていたのですが、大幅な車体構成変更の為、搭載するバッテリーコアの数を削減しています、それにより車重は70kg軽量化されており、車体の動きが変わるのかどうか、また実際ボンネビルでも発生してしまっていた横方向の揺れの有無もチェックします。

気温は少し肌寒い程度でしたので朝一はタイヤウォーマーをセット、モビテックのスタッフさんらに車両をセットアップして頂く間に当方は控え室でレーシングスーツを着用。いつもそうですがスーツに袖を通すと緊張感が漲ります。

自分自身では最も切望していたクラッチシステムが導入された事から、1日も早くテストしてみたい、と思っておりました。ですので準備が出来て直ぐに試験を開始しました。

まず跨ってみて思った事は思いのほか車重が軽く感じ、今までは車体に”乗せられていた”感が否めなかったのですが、自身の入力でフロントサスが十分ストロークする程車体が動きます。左右方向に揺すっても、当方の体重でコントロールするにはより理想の重量に近づいたと体感出来ました。

クラッチはワイヤー式で、車体にセットされた抵抗を操作して既存のオートバイのようにクラッチの伝導率を変化させる事が出来ます。ですので半クラのような状況を擬似的に再現出来る訳ですが、無音のクラッチミートは慣れが必要で、当初は少し戸惑いましたが慣れれば快適。路面のミューが高いアスファルト上ではあまり効果は発揮できませんが、滑り易い塩の上では非常に心強いシステムだと確信。

1本目は車体の動きを確認しながら蛇行運転。2本目辺りからはコンスタントに200km/h超の速度で巡行。トラクションコントロールは現状不要でしたからOFFのまま走行しています。

車体が軽量化された分加速は良いのかもしれませんが、バッテリー搭載量を減らした事や、出力を抑えている事もあるのか今ひとつ加速に伸びがありません。距離があれば速度は伸ばせるかと思いますが、リスキーに攻め込んで車両を痛めては本末転倒ですから、あまり無理はさせません。

昼食を挟んで午後は少し速度を伸ばします。これはいつもの事ですが午後からはコース上で横風が吹く為、車体に挙動変化が起こりがちになります。
今回も横風を受けた辺りから横揺れが起き始め、速度を落とさない限り揺れが治らない感じです。今まで試験路で出ていた症状がそのまま再現されてしまっています。

何本目かの復路で230km/h以上出してみましたが、久しぶりに転倒を予感させる程の横揺れが発生。車体と当方体重の重量バランスが変わった事で揺れの重心でも変わったのか、今までは体を起こすと比較的揺れが弱まっていたのですが、今回は伏せてないと揺れが増幅する感じでした。

今回は車体重量こそ変わったものの、モーターやバッテリーの重量配分、搭載位置そのものにはあまり変化はありませんでしたから、大凡予想出来た結果なんじゃないかと個人的には思っています。

今月行われるモーターユニット自体の移動(これは書いてしまって良いのかな?)がこの車体での最終形態ですから、まずはこんなものではないかとも思いますが、車体構成を大幅に変更しても横揺れの発生が抑えられないようなら、ボンネビルもまた難しいと思えます。

但し軽量化で車体の操作性が向上した事やクラッチシステムの追加は概ね好調で、少しでも進捗があった事を前向きに受け入れ、ポジティブに考えるしか今はありません。

夜は同じ宿舎で寝泊まりする事になりますが、本当に何もない山奥ですので楽しみは一切御座いません。笑

しかしこの夜は何時もEV-01Zを愛知県から輸送して頂いている業者さんも一緒に泊まるという事でしたから、唯一あるリラクゼーションルームで酒を呑むメンツで酒を持ち寄り酒盛り致しました。こうした交流も必要不可欠ですよね。

【4月22日
7時半チェックアウトを済ませ本日のコースへ移動。2日目は未舗装路での走行テストです。
EV-01Zは未舗装の悪路を走行する事を前提として開発は行われておりませんが、ボンネビルではフラットダートや圧雪した雪の上の如く滑ります。よってスタート時の再現を行うにはどうしても未舗装の地面での検証が必要不可欠だと感じ提案させて頂いておりました。

未舗装試験路、とはいえ実際は唯の荒れ地に過ぎず、砂利や砂礫、土に草の生えた場所など街中の荒れ地となんら変わりがありません。最悪極々低速での転倒も視野に入れてはいましたが、当然転けないに越した事はありませんし、転けても最もダメージが少なそうな草地を選んでテスト。

ブレーキを握ったままスロットルを開け、クラッチをミートしてリアタイヤを故意に滑らせる、所謂バーンアウト、の状況を作り出して車体のスライド量やコントロール性をチェックします。

まぁしかしあれだけのホイールベースがある車体を滑らせコントロールするというのは至難の技で、なんどか試みますが数回で肩で息をするレベル。数十センチ動いてはストップを繰り返しただけでこの有様です。

とはいえなんとなく車体の動き方は掴めましたし、クラッチを上手く使う事により転倒は回避出来たり、滑らせずスタートさせる事は出来ると感じました。あとは実際塩の上で試すという事になりますが、今回はクラッチワイヤーの戻りを調整している輪ゴムが切れてしまい、テストは早々に終了。とはいえ未舗装路で練習した事は、現地で必ず生きてくると思います。

次回城里テストは今月26日。

大きく車体構成を変更するEV-01Z。ボンネビルを走るにあたり、問題の無い車両に生まれ変われるのかどうか、試される時はもう間も無くです。


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追記:今回丸一日撮影を行って頂いた岩崎さんには感謝致します。写真は前記させて頂いたとおり、流石はプロ(失礼!)だと唸らせるものばかり。人や動きのあるものを撮るのは苦手だ、とおっしゃっておりましたが、そこはやはり餅は餅屋。
こんな私目にお付き合い頂き、いつも有難う御座います。
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