FC2ブログ

MARUMASU Motorcycle Lounge

2006 - 2023 Specializes in Harley-Davidson / Japanese Classics Maintenance & Speed Pro Shop " The Spirit of Bonneville Salt Flats" Land Speed Racing. / 2010/2011 FIM World Speed Record : 2011/2014 AMA National Champion : 2017 Fastest EV Motorcycle in Colorado Mile Race.

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

'87y XLH883改1200 ボトムエンド作業。

雨の日曜です。

R9245088 のコピー


昨日は天気も良かったのでクイック作業でバタバタでしたが、今日は一転、お客さんも無かったのでエンジン作業に集中出来ました。

ビックツインではお馴染みな作業ばかりですが、4カムスポーツで詳細な作業記録をあまり見たことが無い為、記録用にと写真は多めです。

R9245064 のコピー

まずはオイルポンプとそれに繋がるフィルターマウントを洗浄し分解チェック。普段なかなか手が入らない部分ですからどのXLでも汚れ放題になっている場合がほとんど。

R9245065 のコピー

オイルフィルターマウントも折角なのでリンクルブラックでパウダーコートします。

R9245066 のコピー

R9245067 のコピー

フィード、リターン共にトロコロイドギアは無傷です。ポンプボディも綺麗なものでした。

R9245068 のコピー

R9245069 のコピー

R9245070 のコピー

R9245071 のコピー

オイルポンプシャフトに光っている部分がありますが、これはリターンとフィードを隔てるスチールプレートのアタリ跡です。問題となるような段差ではないのでそのまま流用します。2箇所空いた穴は各ギアの回り留めとなるキー穴です。

R9245072 のコピー

ポンプに繋がるオイルホースのフィッティング。とんでもなく硬いものもあるので油圧プレスでポンプボディを固定して外します。

R9245073 のコピー

R9245074 のコピー

オイルフィルターブラケット側には内圧の変化で動作するチェックボール機能が内蔵されてます。4速エボXL初期、後期、4速エボフレーム5速エンジン車など個々に構造が異なりますので注意が必要。

R9245075 のコピー

オイルポンプからオイルフィルターに繋がるオイルライン、共にサイズが違います。この部品も既に廃盤です。リペアして再使用するか、別の材料を使って造り変えてしまうか後程決めます。

R9245076 のコピー

ポンプボディ外観も真鍮ブラシで出来るだけ綺麗に。普段見えない部分だからこそ敢えて徹底的に拘ります。

R9245077 のコピー

ポンプボディ側に圧入されているシャフト・ブッシングは傷もなくクリアランスにも問題が無いのでそのまま続投。

R9245079 のコピー

まずは綺麗にしたポンプボディだけをケースにセットし、フィッティングの方向を確認。オイルポンプをセットしてしまってからではフィッティングがケースに干渉し、締め付け出来ない箇所が有るのはハーレーならでは。

R9245080 のコピー

逆の手順でポンプを組み立てます。

R9245081 のコピー

R9245083 のコピー

R9245084 のコピー

R9245085 のコピー

オイル漏れを起こし易いポンプ回りですのでストックのOリングに加え、念の為液状ガスケットも併用してボトムボディを組みました。よってケースに一度仮組し、規定トルクで締めたまま一晩置きます。

R9245086 のコピー

続いてカム。まずはストックのカムをカムカバーにセットしてバックラッシュをチェック。アウターカムブッシングは問題が無いので敢えて交換はしません。ここはXLでレースをする同業者さんの意見を参考にさせて頂きました。

R9245087 のコピー

カムの組み合わせを変え、2本づつチェック。変に回りが重い箇所が無いか何度もチェック。まずは#2のみ。

R9245089 のコピー

#1と#2。

R9245090 のコピー

#2と#3。

R9245091 のコピー

#3と#4。

R9245092 のコピー

続いてアンドリュースのカムをセット。全てのギアをセットしバックラッシュをチェック。

R9245093 のコピー

続いてストックのカムギアと個々に組み合わせを変え、一本づつ試します。

R9245094 のコピー

R9245095 のコピー

もしもカムギアに問題がある場合、アンドリュースに送り返してホーニング、または交換という手順を踏む事となります。

R9245096 のコピー

カムカバーにセットした状態で特別問題が無ければ、続いては各カムギアの計測。XLにはカムギアが5枚ありますから10箇所、新旧2セット計測を行う事になります。色コード記載が無かったので仕方ありませんが、BTに比べ何倍も手間が掛かります。

R9245097 のコピー

R9245098 のコピー

カムカバーを仮り付け。オイルポンプ部分をカバーする下側部分をカットしてしまうのはレース仕様XLでは定番の加工ですが現在は未加工。後々のメンテナンスを考えるとカットしてしまう事がベストですが、ここは個人的な思い入れもあると思いますのでオーナーさんの判断を仰ぎます。

なお、今回このカムカバー、アウタープライマリーカバー、ロッカーボックスはオーナーさんの意向により表面は未加工(正確にはオーナーさんによるポリッシュ加工)でのセットなります。折角クランクケースをリンクルブラックでパウダーコートしたので、なんらかの処理を行えばもっとエンジンが綺麗になるのですが。

R9245099 のコピー

R9245100 のコピー

これだけの部分が隠れます。何年か先、もしもオイルフィッティングやオイルホースにトラブルが出た際、クリアランスの問題で脱着出来ない(脱着が非常に困難である)部分があります。

R9245101 のコピー

各カムギアの計測が終わり、ピニオンギアのサイズも大凡見当が付きました。全てのギアが同一の色コードにピッタリ嵌る、という事はまず無いと思うのですが、結果の数値から最も適切と思われるギアを注文したいと思います。

R9245102 のコピー
関連記事

| Engine Maintenance | 21:20 | comments(-) | trackbacks(-) | TOP↑

PREV | PAGE-SELECT | NEXT