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'85y FXSB フライホイール検証。

連休中日です。

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先日不具合のあったS&S 89cu"ストローカーフライホイール検証の続きです。原因は追求出来たのですが、結局5時間ほど掛かってしまいました。ここは”人柱”として記事に残したいと思います。
なお、今回の結果は当店にある'85y FXSBでのみ検証しておりますので、この年式前後の初期エボやソフテイルモデルに合致するかどうかは全く分かりませんのであくまで参考としてお読み頂ければ幸いです。

で、特に問題があった訳でもないFXSBストックのフライホイールASSYはそのまま保存しておりましたのでS&Sフライホイールと比べてみます。今回目視だけでなく、細かくデータを取りました。

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単純にピニオンシャフトの長さが5ミリ短いのですが、ピニオンを交換すれば良いというような、そんな簡単な事ではありません。スプロケットシャフトとレフトサイドベアリングの位置関係は全く同じなのですが。

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何処をどう計測してもフライホイール側に問題があるようには思えません。で、クランクケースがもし年式で違っていたら、と考えました。というのもこの89cu"ストローカーフライホイールは以前'97y FLSTSで組んでおり、その際一切問題がありませんでした。S&Sがスプロケットやピニオンシャフトのアッセンブリを間違っていたなら話は別ですが、通常ラインナップにあるフライホイールですからそうそう間違えるとは思えません。

さてどうしたものか悩んでいたところ、よくよく考えたら2階にエンジンブローしたエボケースがあるのを思い出しました。年式は1995yのソフテイルで上手い具合にフライホイールは外してあります。で、降ろして補器類を外してケースを分解、洗浄しました。

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95yですので後期エボとなりますが、その後期ケースにS&Sフライホイールを組んだ状態です。

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左側が初期エボ、右側が後期エボ。どちらもライトサイドケースです。

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続いて個々のレフトサイドケースにS&Sフライホイールをセットしセンターを確認。レフトサイドケースのティムケンBB軸受けの鋳込み位置は全く同じ。レフトサイドケースは共通であるという事が分かりました。

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で、初期エボライトサイドケースをS&Sフライホイールに組むと、、ピニオンベアリングが飛び出してケージからローラーが見えてしまっています。またピニオンギアを仮組みしたところ、カム室デッキ面よりもピニオンギアが1.0mm飛び出てしまう事も確認。ピニオンシャフト長が違うので当然と言えば当然なのですが、では何故後期エボケースには問題なく組み付け出来るのか、という事です。

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こちらは後期エボのライトサイドケースでの仮組み。見づらいですがピニオンギアはギアケース側に干渉していません。

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ライトサイドケースに圧入してあるピニオンベアリングレースも計測しましたが、厚みは同じ。
結果、ライトサイドケースのレース受け側の鋳込み位置が初期エボと後期エボではオフセットが1.0mm異なる事、またカム室デッキ面もまた1.0mm厚さが異なる事によりライトサイドケース側に問題が生じていたと思われます。

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念の為ピニオンベアリングも前期の2ピースと後期の1ピースを入れ替えてもみましたが、結果は同じ。
S&S 89cu"ストローカーフライホイールはカタログには84-98yまでのBTで使用可能、と謳ってありますが、少なくとも89y以前のエボではそのままでは使用出来ない可能性が高い、と言えます。
もちろん検証したのはたった1台ですから、一概に全ての車両がそうだとは言い切れませんが、少なくとも今回当店のFXSBではそのままでは使用する事が出来ません。

なお、95yケース使用の場合は全く問題なく使える事は確認致しましたので後期エボケースを使えば無加工で装着できる事は分かった訳ですが、ケース交換で公認取得する程予算を見ておりません。
よって、ここは苦渋の決断となりますが、ストッククランクの80cu"のまま、SEヘッドで組みたいと思います。

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フライホイールを分解して初期エボにマッチするよう加工も考えましたが、後期エボならそのままで使えるフライホイールを見す見す分解してしまうのも、これまた勿体ない話です。という事でこちらのフライホイールASSYと専用ピストン(個体潤滑コート済+.10"O/S)はパーツとして販売したいと思います。

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まぁしかし、後期ケースで検証出来て、違いが分かった事だけでも良しとするしかないと思います。極初期のエボは半分ショベルヘッドみたいなところが多くてなかなか一筋縄ではいかないとは踏んでましたが、まさかケースが違うとは夢にも思わず。勉強にはなりましたが、無駄に疲れました。。

※同業者の方で、いやそれは違うと思う、というご意見などが御座いましたら、是非ともお聞かせ頂ければ幸いです。

T-man98cu"のTC-FXRは仮組みだった部分をざっと分解しました。

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これから2次ドライブ側の公認取得の為の計測と撮影、その後電装品の配線を作ります。

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