2016.06.14 Tue
'87y XLH883改1200 トラブルシュート。
午後からは'81y FXSの整備を行うつもりで店内に入れてジャッキアップした訳なのですが、昨夜積車してきたXLHの故障原因が気になって仕方ない。とりあえず店に下ろしてみようかと思いハイエースから出しました。

カーボン製のF/Rフェンダーや7キャストホイール、フォルセラ・ストーツのFサスなどかなり改造されています。オーナーさんとはもう20年近く知り合いですが、4速スポーツのウィークポイント、クラッチシェルやT/Mなどにも全て手が入れられています。これまではご近所の国産屋さんで面倒を見て頂いていたそうです。


とりあえずコンプレッションを計測。前後共に問題無く圧縮はありますが、何故かとてもハイコンプ。ほんの数秒エンジンを始動してみましたが、動画の通り最初からゴンゴン重い打音がしています。

まぁ無いとは思いましたが、エンジンスプロケットのナットでも緩んでいてくれないかと微かな期待をしましたが、、、1次ドライブはスラッジ以外特に問題無し。





4速エボスポーツもめっきり見なくなったので作業は久しぶりですが、自分が乗っていた事のある車両ですから特に問題も無くスムーズに作業は進みます。ありとあらゆるところに塗られた液状ガスケットの跡がオイルリークとの戦いを物語っています。4速はアルミの材質自体が良くなかった頃の車両ですので油断すると直ぐにオイルが漏れます。



やはりフライホイール回り、コンロッドのスモールエンドかビックエンドか、ここまできたら原因が分かるところまで分解します。




シリンダーヘッドはバルブ径が小さいので883用なのは間違いないと思うのですが、こんなヘミ形状でしたっけ?883ヘッドの燃焼室をあまり覚えていないので、これがはたして純正燃焼室形状なのか、加工してあるのかどうか定かではありません。

ピストンの首振りは883→1200ccボアアップ後の走行距離を考えれば思ったよりも悪くない。それよりも何故リバースドームではなくフラットトップピストンなのかがいまひとつ不明。もし1200用の純正ピストンであれば、圧縮が高かった訳も頷けます。もし仮に1200純正ピストンなら、シリンダーヘッドも1200用に交換した方が間違いなく乗り易く、ライフの長いエンジンに出来ると思います。当方が昔乗っていた4速が元から1200ccでしたから間違いないです。

思った通り、ビックエンドが前後共、左右方向にガタガタです。当然リミットは軽く超えてました。
ビックエンドのトラブルは短い時間で一気に壊れるようで、最悪ケースを割り兼ねない程のトラブルに繋がります。ご存知のとおり今となっては4速クランクケースは入手不可能ですから、今回は不幸中の幸いだったと思います。
当然フライホイールはやり直しとなりますから、腰下からのフルオーバーホールという事になります。まぁ15万キロ持ったのですから上出来ではないかと。。頑張ってくれた純正フライホイールはこの際下ろしてしまい、精度や強度、耐久性に優れたS&S製に交換してはどうかと思います。4速はケースが弱いので無駄に排気量は上げず、ストックの1200ccで組むと良いかと。883用と思われるカムも1200用に交換した方が良いです。

後日またオーナーさんと仕様を打ち合わせしたいと思います。

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