2016.06.09 Thu
'06y FXDLI~点検整備の重要性。
現オーナーの手元に車両が届いてから既に数万キロ走って頂いているFXSローライダーですが、見た目に遣れてはいるものの、定期的な整備を欠かしていないので絶好調です。実際にガンガン距離を走っている車両ですから、使い込まれた佇まいに説得力を感じます。

直ぐ近所にあるお墓まで走り、序に墓参り。オーナーさんが言っていたウィークポイントや手直しする必要のあるかもしれない箇所を把握しました。

店に戻ったら車両を入れ替え。その都度床は履き掃除します。兎に角、店内はいつも徹底的に整頓されていないと気が済まないし、埃があるような床で作業は行えないです。オープン当初から一貫してきた拘りですね。


で、FXDLI。まずはサンダーマックスのデータからチェック。最新のアプリになってから正直ちょっと使いづらい。アプリが落ちる事もしばしばあり不安定な気もします。




前回の作業時のメモ。イチイチ覚えておく事が出来ないので車両や記録簿にはなるべくメモを残します。

車体各部の増し締めです。アウタープライマリーカバーも緩みが出易いところ。今回無駄に沢山画像を撮っています。



プライマリーチェーンが全周で緩くなっておりました。少し張り気味で調整。調整後プライマリーオイルの温度に関わらずスムーズにシフトアップとダウンが出来ればOKです。

ハンドル回りのグリスアップ。前にも書きましたが最近はフッ素系ケミカルを使用。後でベタベタせず、そのくせ水にも強いので気に入っています。

クラッチワイヤーのアジャスター部分は通常のグリスでグリスアップ。適材適所なのは当たり前ですが、グリスも特殊なものを使っています。普通のグリスの何倍も高価です。笑

フロントフェンダー取付ボルトや、

ライザー取付ボルト。

ミラーやウインカーマウントも緩みが出易いところ。

この車両のオーナーさんはサンダーマックスの履歴を見ても4000rpmすら回さない大人しい乗り方のオーナーさんです。走行距離も2年で2000~3000キロと極端に少ない訳ですが、そんな大人しい乗り方をされている、程度の良いストック車両でも各部の緩みは車体全体に及びます。如何に定期的な整備が重要かを知って頂く為、今回は増し締めした箇所を全て記録簿に箇条書きしてみます。車検整備の場合、記録簿整備に通常3~4時間費やしますが、実際の締め付け点数は把握した事がありません。

ラバーマウント車両ではお約束なエンジントップハンガーのボルト。この車両でも緩かったです。他にもRフェンダーストラットやガソリンタンクマウントボルト、カムカバーやタペットカバー、マフラーなど増し締めした箇所は数限り無し。ここまで緩んでいるとバッテリー端子も怪しいので見ておきましたが、やはり緩んでいました。

リアブレーキランプが点きません。油圧センサーの故障かと思いましたが、ただの接点不良。接点を磨いてコンタクトグリスで仕上げておきました。

マフラー交換のタイミングでリアのブレーキフルードを交換すると作業効率が良いです。

2年でDOT5だとここまで劣化。



しかし、いつもながらダイナのリアブレーキマスターはアクセスし難い訳で。

マスターシリンダーカップ内部も徹底的に綺麗にしてフルード完全交換。H-D純正フルードですので綺麗なムラサキ色です。


お次はフロント。やはり汚れてますね。


スッキリ。

今回増し締め、チェックした箇所は50箇所以上、ボルト数にすると100本近い数だと思います。何が言いたいかといいますと、定期的なメンテナンスが如何に重要かという事を知って頂ければ、と思うんです。
陸運支局で受ける検査なんてものはあくまで形式的なもので(書いてしまった、、)本当に重要なのは車検を”通す”事ではなく、日々の整備にあると思います。ですからユーザー車検でご自身で通すのは全く問題ないと思いますが、常日頃から整備を欠かさないようにしなければなりません。
ご自身で出来るならそれに越した事は無いですし、自分で出来なければ基本的な事がしっかり出来るショップさんでお世話して頂くとか。ツーリングに行って出先でのトラブル自慢、なんてものは失態以外のナニモノでもないかと思います。
レースではそれが生死を分ける事にもなりかねませんが、一般道を走る車両でもそれは同じ事だと思います。しっかりと整備された車両で安全に楽しんで頂ければと思います。

そんなこんなでFXDLI、整備終わりました。

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