2015.11.17 Tue
'05y FXDX トップエンドの組立。
まぁ特記するような事はありません。TC95ビックボアはツインカムのエンジン作業では比較的ベーシックな仕様ですから。とはいえ簡単な作業ほど凡ミスも起こり易いので心してかかります。


ピストンリングのエンドギャップはエンジンの仕様やオーナーさんの走り方、狙った性格のエンジンに仕上げる為にとても大事な作業です。ここ最近の高性能ハーレーピストンは国産車と同様にピストンリングのエンドギャップ調整がほとんど不要なものも出てきていますが、この年代のピストンはJEといえども要調整です。

TC88ベースで1550cc、圧縮比10.25:1という組み合わせは当方FXLRボンネビルレーサーと同じ仕様です。当然カムやヘッドが違うので同じにはなりませんが、トップエンドまで軽く回り、しかしストリートでは安全マージンをとったお勧めのエンジン仕様です。


ピストン重量は前後全く同じ。流石はJE。



コンロッド小端子側のピストンピンクリアランスは絶妙です。もとから調子の良さそうなエンジンだったので各部のアタリもやはり良好。同じ仕様で同じエンジンを組んでも力のあるエンジンや速いエンジンに仕上がったり、とバラつきがあるのは、こういった各部のクリアランスだったりするところが大きいです。


リングエンドギャップの方向を調整する前にアッセンブリ・ルーブを塗りリングをクルクル回し馴染ませます。因みに当店では3種類のルーブを使い分けていますが、ショベル~エボ~ツインカムの一世代前のリングにはこの赤を使っています。理由はイロイロあるのですがそれはヒミツ。





今回ヘッドワークはありませんのでクリーニングだけしてセットします。燃焼室は軽くカーボンを除去するのみとしますが、湿った感じもなくバルブ、バルブシールも今のところ全く問題ないレベル。





ヘッドが載りました。ここまでくればようやく一息です。


今回ギアドライブカムとボアアップを行っている訳ですが、組み上がってからの外観上の変化は一切ありません。ですのでせめてタペットカバー位はパウダーコートしたものが在庫でありましたのでこちらに交換しておきます。これは当店からのサービス。笑

このタペットカバー、純正のクロームメッキ品は剥がれ易いのでこんなタイミングで変えておくといつまでも綺麗です。


明日は振替営業。続きます。

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