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EV-01フルパワー 実走評価。

本日は”飛騨エアパーク”にて動画撮影とテスト走行でした。

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今朝の高山は深い霧が立ち込め、放射冷却でとても寒い朝でした。
そんな中、”飛騨エアパーク”という飛行場でEV-01の動画撮影と試験走行が行われました。

当方は昨日単独で高山入りしておりましたのでゆっくりホテルを出て集合時間の30分前、8時半に現地に到着。

今回、EV-01は初となるツインモーターによるフルパワーで、前回の城里テストコースでのシングルモーター時とは雲泥の差ではないかと予想していました。

動画撮影会社のスタッフさんが到着するまで、まずは試験走行を行おうという事になりました。
ブレーキパッドが新品という事もあり、最初はアタリを付ける意味でもポンピングブレーキで数回減速しながら走る事にします。

相変わらずスタート時はフラつく感じがするので極度に緊張します。
というのもこのEV-01は一昔前の軽自動車位の重さがあり、車重が相当に重いにも関わらず、レギュレーションの”傾き角度45度”をキープする為、重心位置が前後アクスルシャフトのラインよりも高い位置にあります。

よって、いくら体重の軽い当方とはいえ、乗車してしまうと更に42kg分重心の位置が上がる為、その数値以上に重心が高く感じます。
それは車両に跨った時点でも直ぐに分かるのですが、あれだけ重い車両にも関わらず、キックスタンドを外して跨って自立させたままの状態で左右に揺らしてみた時の重さの感じは、大袈裟ではなく250cc並みの軽さです。

内部仕様全てを一新して頂いたスクーデリアオクムラ製のFサスペンションは、とりあえずイニシャル4メモリ、プリロードは伸び縮み共に5クリックでスタートします。現状どちらも不足気味ですが、あまり足を固めるとブレーキング時タイヤへの負担が大きくなり、スリップダウンの可能性があるので控えています。

スタート時にフロントブレーキを強く握ったままスロットルをほんの少しだけ開け、リアの駆動でフロントサスが沈み込む量を目視で確認し、同時にスロットル開度もチェックします。
出る、と決めたらスパッとブレーキは離し、低速では極端に挙動不審な動きをするので早めに速度を上げます。

が、しかし、そのスピードの速さといったらこれまで体験した事の無い加速性能で、ブレーキのパッド温度を上げる為引きずり気味に走らせましたが最初は全く効きませんでした。
で、3度目のポンピングブレーキ時に少し強めにブレーキをかけるとフロントがロック、車体が前から斜めに横滑りしたので本当に焦りました。
瞬間的にブレーキから手を離した為なんとかタイヤがグリップを取り戻しましたが、タイヤが新しく、陽が照ってくる前で極端に路面温度が低かった為だと思います。

とはいえ大型トラックで過積載時のブレーキングと同様に、ブレーキをかけていても後ろから重いものに押されている感じはいつもながらに強く、基本止まる事はあまり考えないボンネビル仕様の車両を、こういった直線距離の限られた舗装コースで走らせる事はとても難しく神経を遣います。(今回の直線距離は800m)

発信時と停車時が最も難しい訳ですが、走行中もジャイロ効果が無いので終始フラフラとします。

速度を増す事により若干のフラつき感は軽減されますが、慣性だけで走っている状態、例えて言うなら、もの凄く急で長い下り坂をオートバイでタンデム、もしくは重い荷物を高く積んだ状態で、100km/h位の速度で走行中にエンジンをいきなりカットオフして慣性だけで走り続けている感じ、といえばお分かりになるでしょうか。
ずっとリアの駆動輪にトラクションがかかっていないような感じの状態ですし、只でさえ高い重心の車両ですので、これはなかなか恐ろしいものがあります。

800mのコースを2往復し、少し感覚が分かってきたところで動画撮影会社の方々が到着。

まずは走行している動画を撮影。撮影用のクルマを追っかけたり、横並びに並走したり。
スロットル開度は恐ろしくピーキーな特性だったのでこれもまた慣れるまで梃子摺りましたが、ボンネビルであれば特に問題は無いと思います。

そうスピードを出す訳ではないので撮影時は70〜80km/hで走りましたが、この車両にはパーシャル、という概念は全くありませんでした。パワーオンなら常に加速、オフなら慣性ブレーキ(レシプロで言う所のエンジンブレーキ)がゼロなので惰性のままに進む、という感じになる為実際一定の速度で走ろうとするとスロットルON/OFFを絶えず繰り返す事となります。回生ブレーキは是非導入してみて欲しいです。

また、スロットルオフ時は先に書いたように車体の左右フラフラ感が増すので、ホールドし易いとは言い難い大柄な車体を肘と太腿の内側、それに踵の内側で左右から思いっきり押さえつけてホールドしなければならず、たった数百メートルの一度の走りで肩が上がる程疲れます。

加えて気がついた事を記載しておけば、城里でのシングルモーター時は走りながら片方に傾いていく感じがして(当然といえば当然ですが)片側のホールドに注意していれば良い感じでした。それが原因なのかどうか不明ですが、前回車体は比較的どっしりした感じがしたのですが、今回ツインモーターでは左右共にモーターが駆動している為、左右に軽々と車体が動いてしまいます。

あれだけ凄まじいまでのパワーと重さの車両で、軽過ぎる、と思える程のヒラヒラ感は致命的ではないかと思います。ボンネビル計測区間半ばでの不意の横風や、あとゴールライン通過後の急激なスロットル全閉時などはどのような挙動を起こすのかが当方にも全く予想がつきません。

バッテリーコア内部のセル一枚一枚のセル間を熱の問題が起きないレベルで数ミリづつ詰めて重心位置を下げる、無理ならジャイロシステムの導入、それも無理なら唯一回転しているホイールの重量を増す、など何か対策をしないと、モーターのパワーは圧倒的なのでスピードは目標値をクリア出来るかもしれませんが、その後転倒しあの世行き、みたいな事になるかもしれません。笑

ただ、リアの車高調整機能を一度も弄ってみてはいませんから、これは効果が出ると期待できます。重いハーレーでもリアショックを1インチショート化するだけで、取り回しが急に楽になることを皆さんはご存知かと思います。
兎に角、あの不快な程軽いヒラヒラ感を少しでも無くす事が、より安定した走行性能を発揮出来ると思います。

今回実のところ2度程極々低速で停止時に転倒してしまっているのですが、大の大人がたった1日で2人も転ける、というのは通常有り得ないと思います。それは偏にジャイロ効果の無さや、車体の重さ、重心の高さだと思うんです。

塩の上はアスファルトに比べると問題にならない位滑る為、本日当方が行っていたようなスパッと止まる、という事を行うとフロントからスリップダウンする可能性が高いです。止まる度ズルッとくるようでは精神衛生上よろしくないですし、あの車重が傾いたら支えられる人間はそうそういないと思います。

電源スイッチのON/OFFについては緊急時の対応が難しかったので、クラッチレバーでON/OFFを出来るよう改良して頂く事で回避が可能ではないかと考えます。

ともあれ現状は”誰にでも乗れる”、なんてものからは程遠く、発進、走行、停止の全ての状態に置いて特殊な技術が必要とされる、”超絶スペシャル”な乗り物である事は間違いが御座いません。

今日は撮影用にと当方の2000APS-PGも持ち込んだ為、2台同時にレーシングスーツを着て跨って比べる事が出来ました。普段着とレーシングスーツではホールドする位置とグリップ感が微妙に変わる為、実際スーツで跨ってみないと車体のコントロール性が良いかどうか判断出来ません。

まぁ手前味噌にはなりますが、当方の車両は何も計算もせず、ただ自分の感じるフィーリングと直感だけでデザインや車体のディメンションを決定して造りましたが、今更ながら奇跡に近いフォルムと車体構成だと思います。

軽い車体なので風(正面から受ける風圧や横風)には弱いですが、その分流されてもコントローラブルですし、直進安定性の素晴らしさは今まで乗ってきた車両の中でも特筆するものがあります。その結果が先のナショナル・レコードに繋がっているのは間違いが御座いません。

EV-01が、これなら多分勝てる、と思える車両に仕上がるよう、今はただ願うばかりです。
次回の速度評価予定は来年2月。モビテックさん、改良を宜しくお願い致します。

また、本日ご参加頂いた皆様、お疲れ様+有難う御座いました!


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