2015.09.08 Tue
'03y CBR600RR (PC37)整備。
緑の配線がジャンプされているのがお分かりになるかと思いますが、こちらがフルパワー化で必要なECUのジャンプコード。この年式のCBRは比較的簡単にセミフルパワー化ができてしまいます。

ECUユニットを取り外した後、沢山のナットで止まるエアクリーナーボックスのトップカバーを外すとエアクリーナーエレメントにアクセス出来ます。エレメントはホンダ純正でした。

エアクリーナーボックス下部にダウンドラフトタイプのスロットルボディのファンネルが見えます。フルパワー化にはこちらを輸出仕様のファンネルに交換するのですが、こちらも既に交換されています。
2003-04y CBR600RRは"デュアルシーケンシャル・フューエルインジェクションシステム"。1シリンダーあたり2つのインジェクターを装備しています。プライマリーインジェクターはスロットルボディに4本セットされていますが、エンジン回転数が5500rpm以上+スロットル開度が大きい時にエアクリーナーケース上部にセットされたセカンダリーインジェクターが、直接真上からインテークファンネルに向けてガソリンが噴射されます。

エアクリーナーボックス前方にはフロントカウルの左右から導入されるラムエアーダクトが見えます。国内仕様は左側に蓋がされておりラムエアーの効果を半減させて最高出力60ps程度に抑えられています。なお、輸出用カムまで交換する正真正銘の”フルパワー化”では117psまでパワーアップします。

エアクリーナーエレメントは汚れていましたのでYOSHIMURA/BMCフィルターに交換します。吸入抵抗が減る為更なるパワーアップが見込めます。


ECU配線ジャンプ、モリワキ製マフラー、輸出用ファンネル、ラムエアーダクトカバー取り外しで80ps後半までスープアップ。カムが変わっているのかどうかは走らせてみるかダイノマシンで計測してみないと分かりません。
組み立ては逆の手順を踏むだけですので超簡単ですが、各部は出来る限り綺麗にして、各コネクターにはコンタクトグリスを塗っておきます。比較的新しいとは言え既に”10年選手”ですからメンテは大事です。

こちらがアッパーカウル内部の左右一杯にセットされるラムエアーダクト。吸気音の軽減や雨水の浸入防止、オーバーフローエアーの処理も兼ねていると思われる”レゾネーターチャンバー”が左右にセットされています。この辺りが流石は国産メーカーといった感じですね。この年式だとラムエアーの流入量をECUでコントロールする装置はまだありませんから、エアクリーナーボックスの容積や、ラムエアーダクトの容量、管長は計算されつくしたものだと思います。これは当方のボンネビルレーサーへも応用出来る構造と数値で、とても勉強になります。

アッパーカウル側のラムエアーダクトと車体タンク側のジョイントは左右から丸形状で導入しています。クルマでもバイクでも丸い形状が圧倒的に多いのですが、やはり丸いカタチが最も充填効率が良いという事なんでしょうかねぇ??

当店は今までも、またこれからもハーレーをメインとした業務を行わせて頂きますが、こうしたハーレー以外の車両、特に日本車から新しい技術や構造を常日頃から学ぶべきではないかと思っています。それが全てハーレーに活かせる訳ではありませんが、柔軟な考え方でハーレーに接するという事が出来れば、より満足度の高いサービスを提案、ご提供ができると思っています。個人的に興味のあるものはとりあえず何でも弄ってみる、という事が新たな発見と、また新鮮な気持ちで日常の業務に向かい合う事が出来ると信じています。

テスト走行を終え、販売価格が決まるのはボンネビルから帰ってからになるかと思います。

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