MARUMASU Motorcycle Lounge / KAZ MIZUTANI 

Specializes in Harley-Davidson V-TWIN Maintenance & Speed Pro Shop " The Spirit of Bonneville Salt Flats"

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ドラッグレースサポート後記。

今回参加させて頂いたドラッグレースを通して感じたことをツラツラと。
あくまで私的な主観だけですが、、お付き合い頂ければ幸いかと。


今回、ドラッグレーサーのエンジンを新たに造るにあたり、「何故仕事を受けたの?」とか「どういうメリットがあるの?」といった質問を多方面から受けました。

当店はドラッグレースとは今まで無縁でしたし、何よりオーナーさんを実際に知っている方ならご存知のとおり、良くも悪くもかなりの”変わり者”なのは間違いない訳でして(笑)、以前から彼を知ってはいましたが、何故ウチに依頼をする気になったのかは今もって不明です。

以前も他店さんが面倒を見てきた車両だった訳ですが、本人は考えもなしに本能のまま走っているだけなので、前エンジンの仕様を聞いても、キャブやファイナルに関しても、なにも考えず、ただひたすらスロットルを開けることだけを考え走らせてきたのだと思います。

今回エンジンを造るに当たって、内部仕様は勿論の事、走り方ひとつとっても、全てこちらの言うとおりに走るよう約束しました。それを無視して走ってブローさせたら、一切責任は取りません。

ナラシ無しのエンジン全開は初めてだったので不安はありましたが、走る毎にエンジンから出るメカノイズに最も注意していました。きっちりナラシを行う事を前提としたクリアランスで組んでいた為、エンジン温度には細心の注意を払い、オーナーさんにも素手でロッカーカバーに触れさせ、これ位ならOK、これより熱くなったらエンジンを一旦切って、などと、走らせている時よりも順番待ちの時に掛かる負荷についても理解を深めてくれるよう逐一指示を出しました。

今回、クラッチプレートがかなり減っており、新品のプレートに現地で交換するつもりでしたが、オーナーさんがまさかの自宅に置き忘れ。。

最初は組んだばかりのエンジンの事を考えバーンナウトを避けてもらいましたが、車体ディメンションの悪さも手伝って、思い通りにリアにトラクションがかからず、ホイールスピンの嵐。

どのギアからも3500rpmから上は一気にレブまで回るエンジンに仕上げたので1速が全くグリップしてません。
やはりタイヤを温めないと良いスタートができないので仕方なしにバーンナウト。
グリップするようになると、今度はクラッチに負荷が掛かる、、、

以前にもクラッチが焼けてリタイヤを経験しているらしいのですが、そんなクダラナイ事でリタイヤするのはつまらない。そこで1速は街中信号スタートでスムーズに発進する感じで1mほど車体を動し、そこから2速に入れてクラッチの負荷を軽減してからフル加速するように指示しました。

本来であればしっかりタイヤを暖めグリップを確保し、一気に繋いでクラッチプレートをロックアップの圧力で押さえつけてフル加速の体制に入る、というのが基本なんだと思います。
しかし、今回はパーツ不足でそれが叶いませんでしたが、こちらが指示したとおりに彼は乗れるので、クラッチは焼けずに最後まで持ちました。

また、最も知りたかったファイナルレシオについてですが、ゴール地点で何速、何回転なのか聞いても本人は意識していなかったのでさっぱり分かりません。今回の0-200mも、0-100mも、また0-400mにおいても一枚のスプロケットで走ってきた、といいます。
これはレースをやっている当方からは俄かに信じられない事で、ドラッグレースも最高速も何速で吹け切るようにセットするのかが最も大事なことだと思います。

今回の笠岡の場合、これはエンジンの特性で異なりますが、このエンジンだと3速吹けきりでゴールライン通過がベストです。
スタートでスピンして出遅れたとしても、3速の加速で一気に並ぶ、もしくは抜くような加速を毎回していましたが、3速で引っ張るとレブに入り、4速に入れると当然回転が落ちてストールするという具合。
今回のレースはスプロケが無くてダメでしたが、0-400mある富士のファイナルは大凡見当がついたので、まぁ今回は良しとします。

最初、ツインカムとエボのエンジン特性の違いが分からず、一度だけレブらせていました。幸い練習走行の初期の段階であった為、保険をかけてモジュールのレブリミットを低く設定しておいたのでバルブジャンプも起きず何事も無かった訳ですが、その後はタコメーターのコネクターが壊れて回転数が分からず。。仕方ないので今まで走ってきたコース上の位置でシフトアップするよう伝えたところ、その通りに上手く走っていました。

考えているのか、本能的に行っているだけなのか当方には分かりませんが、彼はこちらが指示したことを上手く行う事が出来るし、何よりも「怖い」という感覚が多分欠落しています。
ビビってアクセルを戻す事は皆無ですから、根っからドラッグに向いているのかもしれません。

車両に関しては今回のレースだけでもかなりの箇所の改良点を見出す事が出来ました。

ショップ側としては、速い車両を造ることは当然として、兎に角、壊れない車両作りを目標にして、オーナーさんと一緒に自分も楽しめたら良いかな、というのが今のところのドラッグレースへの向き合い方。

将来的にドラッグに出てみたい、とか、出ているけどタイムが伸び悩んでいる、または車両に不具合があるから改善したい、といった事まで気軽に相談に乗れるようになる事も目標です。

参加させて頂くだけで特に何ができる訳でも無いので関係スタッフの方々には誠に申し訳ないのですけど、、ドラッグレースに関わりを持たせてくれたこの車両のオーナーには感謝しています。

第二戦は富士。楽しみです。
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