2014.11.02 Sun
'08y SE120R FXDBI リアバンクの組立。
明日は晴れみたいですから少しはお客さんが来ると良いのですがねぇ。
そんな訳で、まずは取り外した部品を洗浄します。とはいえ全て分解して洗浄する訳ではないので反って手間が掛かります。


ケース側のシリンダーベース。ピストンが付いたままのですのでクリーニングが厄介です。しかしケース内部にガスケットカスなどが入らないよう注意しながら丁寧に綺麗にします。

当店在庫のSE120R専用のガスケットやシール類。これ位無いと不安です。

ヘッドは今のところ全く問題ない為分解しません。よって、出来る範囲でのクリーニングを施します。燃焼室はマシニングの削り跡が消えてしまわない程度に柔らかい真鍮ブラシで擦る程度に留めています。


シリンダーをセットしました。ピストンリングの性能が良いのである程度までシリンダーを嵌め込むと、スッっと入ります。無理して叩き込むと直ぐに曲がってしまう程薄いリングなので、既存のハーレー用ピストンとは少し組む感じが違います。


で、ヘッド装着。


オートマチック・コンプレッションリリースの配線を再度繋げます。こちらは純正のホーンボタンに潜り込ませています。

リアバンク側のロッカーを組む前に、ハリケーンヘッド専用の特殊なマニホールドを装着します。マニのフランジがあまりに大きい為、ロッカーベースを装着する前にエンジン上方向から滑らせてVバンクの間にセットする方が都合が良いからです。

ヘッド側のフランジ逃がし加工がタイト過ぎて作業効率が悪いです。因みにこの分厚いフランジはステンレス製。贅沢です。

これまたハリケーンヘッド専用の62φスロットルです。インテーク側から見るとなかなか汚れています。センサーが数か所ありますのでここも綺麗にしておきます。こう見て頂くとお分かりのとおり、SE120R既存のMVAヘッドととは全てにおいて互換性がありません。故にツルシの120Rとは雲泥のパワー差なのですが、、


スロットルボディ内部は勿論の事、美しい削り出しのボディ外観も出来るだけ綺麗に磨きます。もともと真っ黒なアルマイトを施されていますが、強烈な熱で紫色に変色してしまっております。これはこれでなかなか格好ヨロシ。因みにMVAヘッド用の58φスロットルはアルマイトではなく、ポリッシュ仕様となります。

配線を行う前に全てのコネクターにコンタクトグリスを塗ります。インジェクションの車両ではとても大事な作業です。
しかし、こういった「修理」はオーナーさんにとっても、お店側にとっても建設的では無く、最良でも"元に戻る"だけです。
ですからほんの僅かでも付加価値の付く様、元の状態以上になるように、オーナーさんの目が届かない場所だとしても丁寧に仕上げる事が作業者側のモチベーションを上げる意味でも大事だと思います。
たとえ小さなコネクター1個でも、出来る限り磨きます。


この状態で一晩寝かせます。問題無ければ明日には完成です。

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