2014.10.31 Fri
'91y S&S 93cu" FXRS プリモベルトドライブ組み付け。
まずは強化セルに交換。これまで使っていたスターターボタンは移設します。スターターリレーが万が一壊れても、ダイレクトスターターを取り付けておけば再スタートが可能ですので保険の意味合いもあって多くの車両に装着しています。


乾式クラッチに交換する為、インナープライマリーベアリングはシールドタイプの強化BBにしています。しかし、プリモのキットだとオイルシールは付属しておりません。無くても特に問題は無いからなのですが、ダストシール代わりにする為にもBAKERの強化BB用オイルシールを取り付けておきます。これでチェーンが巻き込んだ埃もシャットアウト出来ます。

インナープライマリー装着。スターターのジャックシャフト取付ボルトはネジピッチが純正と異なる為、専用品に交換しています。

プリモのドライブをまずは仮組みしてみます。この時点で干渉する部分が無いかどうか、念入りにチェックします。FXRへのインナーベルトドライブ取り付けは沢山行っておりますが、個々の車両でクリアランスが異なる為、必ずチェックしています。


不具合発覚。ドライブキットをそのままストレートに組むとフロントエンジンスプロケット取付面よりもクランクシャフトが僅かに飛び出てしまいます。これは何を意味するかというと、エンジンスプロケットナットを一杯まで締め込んでも、エンジンスプロケットにはテンションがほとんど掛からず、クランクシャフトのスプラインだけでエンジンからのトルクを支える事となり、エンジンスプロケットとクランクシャフト双方のスプラインが削れて、最後はカラ回りし動けなくなります。

この場合エンジンスプロケットの後ろ側、つまりオルタネーター外側にシムを入れがちですが、それでは駄目です。オルタネーター内部にあるシムの厚みを調整し、オルタネーターを若干外側にくるようオフセットさせます。こうすればオルタネーターとフロントエンジンスプロケットは全面がベッタリと接する事となる為、クランクシャフトへの負荷もより軽減されます。

当然キットにシムは付属していません。日頃からイロイロなサイズのシムを用意していないと駄目ですね。"車種専用キット"といえどその車両に合うよう調整して装着しなければ、装着直後は良くても、しばらくすると必ずトラブルが起こります。こんな事は極々当たり前の事ですが、それが出来てない車両の如何に多い事か、、、お金を払ってるんだからしっかりやってくれてるだろう、とお客さんは信じていますから、プロならその期待に答えなければいけません。こうした地味~な部分の調整がノントラブルで長く乗れるかどうかを決めるんだと思います、

この位置関係で◎。

組み終わりました。

最後にダイヤフラムスプリングの調整です。必要であればショルダーナット、もしくはクラッチハブスタッド、どちらか調整しなければならない方向に専用のシムスペーサーを入れて、スプリングの高さを規定値に調整します。

そしてクランキング後エンジン始動。スターターも問題無し。クラッチも軽くてスパスパ切れます。しばらくアイドリングさせてから、もう一度アウタープライマリーを開けてベルトが干渉した"ベルトカス"が無いか確認し、無ければ作業は終了です。



昨日ピックアップしたSE120R FXDBIは明日から作業です。

エンジンを開ける前に先週の湾岸までのECMデータをバックアップします。回転数やエンジンヘッド温度のログも全てです。各回転数毎に何分間使っていたのか一目瞭然ですね。

明日から11月、一年経つのも早いです。。


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