2014.04.05 Sat
'07y FLSTS エンジン異音の修理。
そんな本日はエボ・スプリンガーソフテイル。エンジンから異音がしていた車両です。
まずは最も怪しいと思われるカム回りをチェックします。カムカバーのブッシングが共回りしている、なんて感じなら幸いなのですが。

プッシュロッドはクイックリーが組んでありました。ロッカーを開ける事無く作業が出来るので助かります。
強度的に優れたものが入っておりましたが、クイックリーはどうしても太くなるのでプッシュロッドカバーに干渉する確率が高く、ノイズが出る原因にもなります。


カムカバーは全く問題無し。ハズレです。
しかし、オイルポンプギアを回すピニオンシャフト側のギアに有り得ないようなアソビが。エンドプレイ云々というレベルではありません。結局ピニオンギアナットが緩んでおり、ピニオンギアも手で揺れる程でした。原因はこれですね。

分解していて気になったのですが、カムカバー、ピニオンギアナットどちらにもロックタイトの形跡がありません。どちらも規定トルクを下回っておりました。残念な感じです。

??

トドメはこちら。ピニオンギアナットが緩んだお陰でピニオンシャフト側のキー溝が喰われております、、、本当ならピニオンシャフト交換です。

この先キーが飛んでエンジンに深刻なダメージを及ぼす可能性がありますが、キー溝はまだ生きてます。オーナーさんと相談し、金銭的な事もありますので今回はこのままお茶を濁すというチョイスを致しました。なるべく長持ちしてくれる事をただ祈るばかり。最悪どうなるか、という事をオーナーさんにお伝えしておきました。
実のところキー自体にも細工が施してありまして、以前このエンジンを開けてクランクをリビルトしたショップさんは気が付いていたと思います。しかしオーナーさんにはその説明が無かったようで、そこが最も問題なところです。
ともあれピニオン回りのギア、カムスペーサーなどを信頼できるS&S製に交換し元通り組みます。ピニオンナットは多めにロックタイトを塗付。


最後にプッシュロッドをアジャスト。気持ち緩めにしました。

FLのヘッドパイプを組んでしまうともし何かあるとリカバリーが大変なので、店の2階に転がっていた適当なマフラーをセット。クランキングの後火を入れて、異音が無くなったのを確認しました。

とりあえずエンジンは終了。続いては1次ドライブをチェックしたいと思います。

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