2011.09.11 Sun
'02y FLHR 95LTD 腰下組立。
天候関係なしに走る方にはお勧めです。

まずはケースの面出しを行い左右のベアリングを組む準備です。

1999年から2002年までのツインカム車両はレフトサイドがEVO同様ティムケンです。強度的にはそれ以降のストレートベアリングより優れています。組むのはSSTが必要ですので一手間必要。




レフトサイドBBのレースを組んだら続いてはカムサイド。カム側のメインベアリング、これが欠品しており待たされました。ベアリングケージがプラスチックだからか3年で廃止。実際このベアリングは良くはありません。アイドリングを下げて油圧が下がっている車両は特に注意が必要です。

当然こちらもプレスで圧入しますが、ケージのプラスチック部分が凸形状になっており、そのままプレスで押すとベアリングが傷むので注意。


ピストンクーリングジェットやカムベアリングはケースを組む前にセットしておきます。



保管してあったクランクASSYをケースに組みます。EVOやショベルではお馴染みの作業ですね。




遣れたケースボルトはネジ山部分は当然の事、ボルトのアタマもワイヤーブラシで磨いて少しでも綺麗なケースに合うよう一本一本処理します。細かな配慮が組み上げた時の全体の統一感を構成しますので地味ですが大事です。

ケース合わせ面に塗付した液状ガスケットが硬化するまでオイルは注しません。よくエンジンなんか数時間で組める、なんて豪語する方がいらっしゃいますが、早ければ良い、というものではありません。適応適所に施した作業に応じ、時間を置く事も重要です。
エンジンは如何に真面目に、丁寧に組むか。それに尽きます。
当方のレーサーで使っているツインカムエンジンは排気量が95cu"、1550ccしかない今となっては大排気量とは言えないエンジンです。しかし5速、スロットル全開固定を数分行っても全くビクともしません。オイルリークも一切ありませんしヘッドガスケットが抜けたことも今まで一度もありません。
当然自分が狙うスピードやパワーに応じたパーツのチョイスはしておりますが、組み方は、当店でエンジンを作業させて頂いているお客様の車両となんら変わる事はありません。ガスケットにしても併用する液状ガスケットにしても然りです。
プライベーターの方でご自身でエンジンを組む方は多いかと思います。自分で組んだエンジンで走るのは気持ちの良いものですし、スキルがあるのなら大いに結構だと個人的には思います。
プロは時間でお金を頂きますのでどれだけ時間をかけても良い、という訳にはいきませんが、プライベーターの方々はそれこそ無限に時間はある訳です。じっくり丁寧に、間違いなく組む、という事が結果的には良いエンジンを組む近道ではないかと思います。
地道で細かい気配りが、より良い車両を生むのはプロも素人もないと思います。
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